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混触反応の法則--化学物質の組み合わせ

化学物質は混ざると危険というリスクがあることを知っているだろうか
化学物質というのは、単独では問題は無くても他の化学物質を混ぜ合わせると危険なことが起こることがある
これを混触リスクと呼んでいる
たとえば酸と水を混ぜた時を想定して欲しい
濃硫酸と水を混ぜると激しく発熱する。とんでもない発熱反応が起こる
酸とアルカリを混ぜても中和熱という熱が発生して液の温度が上昇する
化学物質で怖いのは、温度上昇だ。 温度が10℃上昇すると反応速度は2倍になる
30度上昇すると、かけ算だから2×2×2=8倍になる
8倍というのは、アバウトな感覚でいえば、反応速度が一桁上がると言うことだ
では、温度が100度まで上がると同じような計算式で2を10回かけ算することになる
答えは、1024倍だ
100℃まで温度が上がれば反応速度は約1000倍というとてつもない反応速度になる
このスピードで反応が急激に高まることを反応暴走という
通常の冷却では、この暴走を止めることはできない つまり、冷却能力は1000倍必要となるからだ
化学物質には常に組み合わせのリスクが存在すると考えて欲しい
混触反応は、組み合わせの法則だといえる
最低限どんな物質と組み合わせたらまずいのかは知っておいて欲しい
https://www.google.com/url?esrc=s&q=&rct=j&sa=U&url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/24/1/24_37/_pdf/-char/ja&ved=2ahUKEwjMpaHG1tH0AhVdy4sBHRWRD58QFnoECAMQAg&usg=AOvVaw1j1YPzr--URnuclxcBIVcz

https://www.google.com/url?esrc=s&q=&rct=j&sa=U&url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/47/4/47_229/_pdf/-char/ja&ved=2ahUKEwjMpaHG1tH0AhVdy

BHRWRD58QFnoECAcQAg&usg=AOvVaw30sgcAgFU2TPLBOZjWWR1l

 

 

2021年12月08日

粉塵爆発に思う--金属の粉でも爆発すると思え

粉塵爆発の事故が報じられていた
https://www.youtube.com/watch?v=i9D-3DJ-uRU
亜鉛の粉を取り扱う装置を起動していたとき爆発が起きたという
粉末に風を送る送風機で異音がして、しばらくして爆発したという
原因は不明と言うが、粉という物は着火源があれば簡単に火がつき、燃えるでは無く爆発することもある
亜鉛は金属だから燃えないと思う人がいるかもしれないが、金属でも条件さえ整えば燃えるのだ
粉になると空気と触れる表面積がどんどん増える。細かくなればなるほど、表面積と増えていく
当然火がつけば、表面積が多いのだから爆発的に燃焼する
http://www.bsb-systems.jp/page0136.html
アルミという金属も良く爆発事故を起こす。タイヤのホールを製造する工場では、アルミを削るとき大量の粉ができるからだ
自分の工場でも、大量の金属粉塵がでるなら粉塵爆発のリスクを検討して欲しい
今回の着火源は、異音がしたというのであれば摩擦熱の可能性もある
ファンの内部の羽根は金属でできている。羽根とファン本体の金属と接触すれば摩擦が起こる
もう一つは、金属と擦れ合えば金属火花も出る。金属火花も着火源だ
過去にも、ファンの摩擦熱で火災が起きている事例も多い
ファンで異音がしたら、無理に回さないことだ
できれば、定期的に点検をして欲しい
何十年も点検していなければ事故になると考えて欲しい
こんな文献もある
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2017/100-column-2.html
粉塵爆発の映像があるビデオは消防庁から公開されている.興味があれば見て欲しい
https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/suisin/post4.html

イラスト出典 いらすとやフリーイラスト

 

2021年12月06日

HAZOPは化学産業以外でも使われている-医療分野

HAZOPとは化学プラントなどで使われる安全性評価手法だ
http://hazop.jp/hazop_basic.html
化学プラントは、流量や温度、圧力、液面などが一定の条件で保たれていると安定的に生産ができる
ところが何かのトラブルが起こると。流量や温度が変化する。これを、ズレという。
ズレが起こると、化学プラントは乱れ始める。人がうまく対応すれば、もとの状態に戻せるが、うまくいかないケースがある
それが、事故だ。圧力が上がれば装置が破裂する。反応器などの温度が上がれば、反応暴走につながる
ならば、流量や温度などのズレが起これば、どんなまずいことが起こるのかを事前に検証すれば事故のリスクは減る
そこで考え出されたのが、ズレによる影響を解析し、対策を立てるとい安全性評価システムだ
ズレを考えるときの、キーワードが準備されている。外国からきた手法なのでこんな7つのキーワードがある。その中でいくつかを紹介すると
「No」:何もしなかったらどうなるのか? 「Less}:少なかったらどうなのか 「More]:量が多めだったらどうなるのか
「Reverse]:逆だったらどうなるのかなどがある
化学産業では、例えば「No」は、流量に関してみれば、流れないとどんな問題が起こるのかと考える
「less」は流量が規定より少なめなら、やはりどんな問題が起こるのかと考える
このように、ズレがおこると何か悪いことが起こるのではないかと考え安全対策を取っていく手法がHAZOPといわれている
最近は、このような手法は医学界などにも使われている
例えば「No」は、もし手術をしなければどんな悪いことが起こるかと考えるのだ
「Less」は、手術で取り除く範囲が、少なめだったら患者さんにどんな悪い影響が出るかを考える
「More」は、除去範囲が多すぎても悪いことが起こるのではないかと考えるのだ
「Less」は逆というキーワードだ。例えば手術する対象を逆にしてしまったケースだ
本来なら、右の肺を手術する予定だったのが、誤って左の肺を手術してしまうケースだ
X線の写真を左右取り間違えるケースなどで起こる。どうしたらそれが防げるかを、考えていくのだ
このように、HAZOPずれを想定して対策を打っていく処方なので、あらゆる業種で使うことも可能だ
ズレというものに常に着目して安全対策を取っていって欲しい

イラスト出典 いらすとやフリー素材

 

2021年12月04日

粉塵爆発を甘く見ていませんか

粉塵爆発は,頻度は少ないがひとたび事故が起こると甚大な被害を及ぼすことがある
化学工場では,粉よりも液体の危険物を取り扱うことは多い。だから、、粉に起因する事故事例の頻度は少ない
したがって,粉が原因で起こる事故は少ないが.少ないからと言って粉の事故を甘く見ないで欲しい
最近の、粉が関与する事故事例としては
2021/8/23に、印刷などに使われる粉であるトナー工場の爆発事故が起きている
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2108/13/news075.html
2017/12/1日、静岡県富士市の化学工場で多くの死傷者を出す粉塵爆発が起きている
事故から約1年が経った、11月20日に、この企業から事故報告書が発行されている。
http://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/document/news/20181120fuji7.pdf
事故報告書によると事故はこのようにして起きたという。
印刷インキ用樹脂を製造していた。固形樹脂を粉砕後フレコンと呼ばれる袋に粉状にして投入していたときに内部で静電気による放電が起きたのがきっかけという。袋の中で最初の粉塵爆発は起きた。これで、収まればこれほどの大事故にはならなかった。
粉塵爆発は怖いのが、最初の爆発が引き金となって次から次へと誘爆していくことだ。
フレコンと投入口は密閉構造では無かった為、炎は、投入口の近くにあった、粉塵除去用のダクトの中に吸い込まれていったようだ。
ダクトの中は清掃していなかったことから、当然粉塵は溜まっていた。
それにも火がつき、ダクト内で大きな粉塵爆発を起こした。
ダクトの出口から出た、爆風は室内のダクトの上などに溜まっていた粉塵を更に巻き上げ更なる粉塵爆発の連鎖を起こしたようだ。
最後は、室内に保管していた化学薬品に火がつき薬品火災も起こしてあのような大爆発となってしまったと書かれている。
報告書では、企業は粉塵爆発の危険性を感じていなかったとある。
しかし、粉を長年取り扱ってきている企業なのだから粉塵爆発にはかなり注意をしていたはずだ。
粉の取り扱いを甘く見ないで欲しい.粉塵爆発が起こるととんでもないエネルギーが放出される
人一人は簡単に殺せるエネルギーだ


2021年11月30日

研究所の実験設備の防爆管理を甘く見ていないか

研究所の安全管理で気になることは沢山ある
電気設備の防爆というのもその一つだ
可燃性物質の実験をするなら、着火爆発のリスクは限りなく存在する
しかし,研究所の幹部と話をしても防爆という用語の理解をする人は皆無に近い
だから,可燃物や有機溶剤の実験で事故は起こる
この背景には、まず多くの企業で研究所の専属安全スタッフが配置されていないことが要因だ
製造工場には安全スタッフは必要だが、研究所は安全スタッフは不要と考えている経営トップが多いからだ
研究所こそ,未知なる分野に挑戦することも多いのだから有能な安全スタッフがいなければいけないのにそこは充足していないのが現状だろう
研究所で可燃物を大なり小なり使えば必ず発火か爆発というリスクは存在する
電気ヒーター、電気で動く実験器具などは発火源となる。接点火花で、可燃性物質の着火源になるからだ
研究では、取り扱う化学物質の量が少ないから大丈夫と安易に考えないで欲しい
燃焼の三要素が整えば、物質は必ず燃えるし、激しく燃えれば爆発することもある
研究所では、工場規模の爆発には至らないかも知れないが、可燃物の爆発は指や腕を吹き飛ばすほどのエネルギーはある
研究部門での爆発や火災を甘く見ないで欲しい

可燃性の薬品を入れる冷蔵庫を市販の冷蔵庫を使っていて爆発したこともある
防爆の冷蔵を使っていなかったからだ
工場だけではなく研究部門への安全管理体制も充足して欲しい

 


2021年11月26日
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