2016年1月3日埼玉県で起こった事故を紹介する。十年も経つと重大事故でも忘れ去られてしまう
硝酸を含む物質が入ったタンクの事故だ。硝酸でタンク内に付着した銀を溶解し取り除いていた
作業中突然タンクのガラス製ののぞき窓が破損して毒性のある硝酸ガスが噴き出した死亡事故だ。
2人が死亡し、2人が負傷した事故でもある。
6つあるのぞき窓のうち、3個が破裂していることから何らかの圧力上昇があったものと思われる。以下のURLの所に情報がある
http://toyokeizai.net/articles/-/99306
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/%E4%BA%8B%E4%BE%8B%EF%BC%88%E7%95%B0%E5%B8%B8%E5%8F%8D%E5%BF%9C%EF%BC%89/2016%E5%B9%B41%E6%9C%883%E6%97%A5%E3%80%80%E5%9F%BC%E7%8E%89%E7%9C%8C%E6%9C%AC%E5%BA%84%E5%B8%82%E3%81%AE%EF%BC%A4%EF%BC%AF%EF%BC%B7%EF%BC%A1%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AF
死亡しているのは、社員ではない。派遣作業員だ。派遣の人が災害に巻き込まれる傾向は、近年ますます増えてきているような気がする。
圧力容器なら、法令上安全弁の設置が求められるがタンクなどの非圧力容器であれば法令上の義務はない。
多くの事故を見て見ても、安全弁さえあれば防げたのにと思う事故は多い。
純粋な硝酸の沸点は83度だ。運転していたときの温度は、80度だ。
規則では80度を超えたら作業をやめる規則になっていたが、作業は継続していた。事故時は、85度になっていたいう。
事故の可能性としては突沸がある。突然の蒸気発生で瞬く間に、圧力が上がったのだろう。
HAZOPをやられている企業は多いはずだが、こののぞき窓についてはチェックが甘い気がする。
甘いと言うより、全く危険源として意識していないケースが多いのではないかと感じている。
この事故は、企業から事故の原因は説明されていない。検察から、起訴されたときのブログ記事があるので読んでほしい
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/%E4%BA%8B%E4%BE%8B%EF%BC%88%E7%95%B0%E5%B8%B8%E5%8F%8D%E5%BF%9C%EF%BC%89/2016%E5%B9%B41%E6%9C%883%E6%97%A5%E3%80%80%E5%9F%BC%E7%8E%89%E7%9C%8C%E6%9C%AC%E5%BA%84%E5%B8%82%E3%81%AE%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E3%81%A7%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%81%AB%E4%BB%98%E7%9D%80
作業の効率を優先し、マニュアルに書かれている硝酸濃度を守らず、3倍の高濃度硝酸を使い事故になったという。
ルールを無視するのは、ルールを破ったらどんなことになるか、教えていないからだ
命に関わるような結末になるなら、そこを教えないとなかなかルールは守られない
