事故や災害に思う

化学工場で事故を起こせば、犯罪となるかどうか必ず警察の捜査が始まる。しかしながら、化学物質の関係する事故は警察も専門家の助けを借りなければ捜査は容易ではない。犯罪要件として成立するかを見定める必要があるからだ。
犯罪として成立するのは、危険だとわかっているのに必要な対策を講じていなければそれは犯罪となる。しかし、危険だと知らなければ、それは犯罪だとして罪を問うことは出来ない。
技術に関わる世界は、未知の分野が存在する。まだわからない分野を取り扱うことにより技術は進歩する。特に化学の世界はそういう分野を扱うこともある。
今日のニュースを見ていたら、3年前に四日市のコンビナートで起きた熱交換器の爆発事故の警察の処理が終わったと書いてあった。検察庁に書類は送ったが、起訴は求めないという内容だ。理由は、専門家から「予見は困難だった」という見解が示されているとという報道がなされていた。爆発で5人が亡くなった大きな事故だ。法律的な天秤にかけるとこういう結論になるのかもしれないが、この事故も事前に発火などの兆候もあった。
何かこの物質はおかしいと感じて行動を早めに起こしていれば防げたのではないかと思われる。
多くに事故は、事前に何か小トラブルなどが起きている。小さなトラブルを見逃さないで欲しい。常に変化を感じ取って欲しい。
化学物質を扱う限り未知の分野はある。常に、事故の予兆を読み取って欲しい。

 

2017年12月05日