技術伝承

 2014年1月に四日市のコンビナートで熱交換器を開放作業中爆発事故が起こっている。5人が死亡、13人が負傷する大事故だ。この事故は、運転中に起きている事故では無い。点検のために装置を開放する作業中に起こった事故だ。熱交換器のチャンネルカバーという蓋を開けるときに、中に残っていた爆発性の化学物質が原因だ。

 事故の原因となった物質は、衝撃を受けると爆発する性質を持っていた。事故のきっかけとなった衝撃は、作業中に熱交換器の蓋を開ける際の金属同士の衝撃だと言われている。わずかな衝撃が、化学物質を起爆させることになる事例だ。

 この事故に関しては、企業から事故報告書が出されている。http://www.mmc.co.jp/corporate/ja/news/press/2014/14-0612.html

87ページにわたる報告書だ。しかし、これだけのページ数になると、これを要領良く読んで事故からの教訓を読み取るというのは中々難しい。

 事故から学び取らなければいけないのは、事故の事実では無く多くの人にも共通で適用可能な事故の教訓だ。このためには、事故の事実も専門用語をあまり使わずに、なぜ起こってしまったのかを平易な言葉で書き表し、教訓は何かを導き出していく必要がある。

 技術伝承すべきは事故の教訓なのだが、文字で表現するとなると中々難しい。イラスト、写真、アニメーションを入れたビデオ化するのが望ましい。しかし、このシナリオ作りというのが実に難しい。ビデオを見て飽きずに、緊張して見れるのはせいぜい10分だ。この10分くらいのビデオだと、文字数にして3000文字位のシナリオになる。要点を専門用語を使わず書いていくというのが実に難しい。

 1ヶ月くらい前から、この四日市の事故のビデオシナリオを作り始めた。今まで、2011年から2013年に起こった化学プラントの重大事故を3件ビデオ化するのにシナリオを書いてきたが、今度の四日市の事故は今迄で一番難しい。衝撃を加えるだけで爆発する危険な物質が材題だからだ。

2016年03月09日