有機過酸化物について

有機過酸化物という化学物質を知っているだろうか。英語名でパーオキサイドと呼ばれることもある。
温度に敏感な物質で、物質毎に定められた温度を超えるとものすごい反応を始める。
液体も粉体もある。粉であれば、火薬のように爆発する。
管理温度が低いものは、屋外に放置するだけで反応をはじめて爆発することもある。
その為、冷蔵庫などに入れて保管するのだが停電で温度が上がり事故になったこともある。
温度管理には、大変神経がいる物質だ。
この物質は、1960年代後半からよく使われるようになった。
プラスチックなどの重合反応開始剤などにも使われる。
化学工場であれば、案外身近なところに存在する物質だ。
しかし、案外その危険性は知られていないし、むしろ甘く見ているといっても良いくらいだ。
1960年代後半事故の多発を受け、国は「有機過酸化物による爆発災害の防止について」という通達を
1971/6/25日に出している。基発第455号だ.下記のURLを見て欲しい
https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-27/hor1-27-8-1-0.htm
この通達には、4件の事故事例も書かれている。
近年起きている、有機過酸化物の事故は山口県の岩国というところで起きている。死亡事故でもある。
http://tank-accident.blogspot.com/2013/01/2012.html
反応器内の攪拌が止まり、冷却コイルの無い部分で反応を始めた事故だ。
有機過酸化物は、冷やせなければ事故になる。
ごく最近の事故は、千葉県の茂原というところで昨年7月に起きている。
https://www.youtube.com/watch?v=SZ6mWKQsSfc
やはり有機過酸化物を入れた容器の一部が冷えていなかったと言う事故だ。
山口県の企業も、千葉県で事故を起こした企業は同じだ。
同じ企業でも、有機過酸化物の怖さは工場が違うとわからないのかもしれない。
有機過酸化物恐るべしということをこれからも伝えていかなくてはならないと思う日々だ

2018年09月27日