シングルフェイラー

シングルフェイラーという言葉がある。
ご存じだろうか?
計装の用語として使われるものだ。
工場などで異常の早期発見を目的に、計装設備として警報が設置される。
タンクなどで、液面が上昇してきたとき、HIレベルになれば液面高の警報が出される。
つまり、液面を測る計器を設置して、警報を出し事故の防止を図るのが一般的だ。
もし、計器が故障していたら警報は出ずに事故になる。異常を早期に発見できないからだ。
つまり、計器が一台(シングル)だけしか無ければ、計器は故障することがある。
1台だけの計器が故障してしまえば、警報が出なくなる。
これを、シングルフェイラー事故と呼ぶ。
異常を検知する計器が一台、すなわちシングル(一台)では計器の故障を考えると安全対策では
不十分だということだ。
事故になるととんでもない被害が出ると想定されるなら、1つだけ計器の設置では不十分だ
2つ以上の安全対策が必要になる。
異常時の対応としては、コスト面という観点では、できるだけ安くあげたい。つまり、1つだけの対応で済ましたい。
されど、計器の故障なども考えると1つだけでの対応では十分ではない。
シングルフェイラ-という、考え方はHAZOPの中でも大切な考え方だ。
タンクなどの液面以上警報として、1台の計器からHI(高)アラームとHI-HI(異常高)アラームを出すのは危険だ。
計器そのものが、故障してしまえば、HiとHI-HIアラームの両方が作動しない。
事故を防ぐには、HI(高)アラームとHI-HI(異常高)アラームを出すのは別々の計器から警報を出すように設計しておかなければならい。
重要な設備に対しては、2つ以上の安全対策を考えて欲しい。

2018年11月15日