HAZOPでインターロックの作動不良をどう考えるか

先日、HAZOPの講義をした。その折り。HAZOPでインターロックは作動しないことも想定するのかという質問があった。
この時、質問者には回答はしたが舌足らずなところもあったのでここに私なりの回答を改めて書いてみる。
検討を進める過程では、今あるインターロックは、「正常に作動する」として、それでも爆発や破裂などのHAZARDが発生するのか、しないのかをまず考える。
次は、インターロックの機能が働かない、つまり「作動しない」状況も考えてみる。インターロックを作動させる、要素に着目するのだ。いわゆる、検出端と呼ばれるものだ。
例えば圧力異常を検出して、インターロックを作動させるなら「圧力発信器」の故障だ。液面なら、液面計という検出器の故障だ。
インターロックが作動する場合、通常まず警報が鳴るような設計をしているはずだ。例えば、圧力HIの警報が鳴る。
警報を聞いて、人が対応する。それでも対処し切れなければ圧力HI-HIのアラームが鳴る。それでも圧力が上がれば、自動的にインターロックが作動するような設計がなされているはずだ。
HAZOPで見抜かなければいけないのは、警報を出す圧力計とインターロックを作動させる圧力計が同じ計器になっていないかもだ。
何を言いたいかというと、同じ計器で警報とインターロックを作動させるようにしていれば、計器の故障で警報も、インターロックもどちらもいっぺんに機能を失うことになる。
確実に対処するためには、HI警報用の発信器と、インターロックを作動させる発信器は別々の物になっている必要がある。
警報用の計器と、インターロック用の計器は別々のものにしておかなかったために過去事故が起きているからだ。
インターロックを作動する計器の故障を考えたら、次はインターロックにBY-PASSなどの解除SWがあるか見て欲しい。
運転中にインターロックを解除されてしまえば、インターロックは機能しない。つまり、作動しないことになる。
解除などをする判断基準が明確に決められているか確認して欲しい。
上司の許可を取れば良いなどと言う曖昧な判断は駄目だ。
人が変われば、判断条件が変わる。上司も替わることがある。経験や知識も違う。
解除していい条件など、温度や圧力条件などが数値化されているか確認して欲しい。判断は見えるかが必要だ。
最後は、維持管理だ。計器やインターロック機能の点検周期が明確かを確認しておくことだ。何も点検しなければ、インターロックの故障に気づかないからだ。設備は設置したら終わりでは無い。維持管理もポイントだ。

2018年11月27日