体験型HAZOP

HAZOPというリスク評価手法がある。日本では1980年代から導入されたものだ。
近年リスクという言葉がすごく使われてきている。
HAZOPも着目されるようになったのは高圧ガス認定制度だ。
このお墨付きをもらうと、化学プラントは定修機関を大幅に延長できる。
通常化学プラントは、1年間動かした停めて検査を受けることになっていた。
ところが、1980年代台から、安全体制の整った化学工場は2年又は4年連続運転できる制度が導入された。
いわゆる自称保安という制度だ。
高度な安全体制が整った企業にはインセンテイブを与えようという制度だ。
1990年代からは、アメリカのPSMなる概念が日本でも浸透してきた。
システマチックに安全を確保しようという概念だ。
運転マニュアルの整備、社員への教育訓練、安全性の評価など安全を統合的に構築しようとする機運が生まれてきた。
この波にあわせ、高圧ガスの認定制度でも、潜在的な危険源を評価して対策を打つことが求められるようになった。
当然、潜在危険源を評価するにはHAZOPなどを使うことが求められてきた。
HAZOPはずれをキーワードにしてプラントの危険性を解析する手法だ。
ずれをいうシンプルな要因を使うわけだが、危険源を知り尽くしていないとそれを確実に実施するのは難しい。
先日、入社2年目の将来の幹部候補生にこのHAZOPを教えてきた。
単純な座学では無理なので、体験演習手法を使ってみた。
2日間の研修だったが、体験させることでかなりの効果があったとおもう。
やはり、HAZOPは体験しながら学習するに限る。
座学だけでマスターするには難しい。

2019年02月12日