残渣というものを甘く見るな

残渣とは、油かすのようなものを言う。
化学工場であれば、タンクの底に溜まったりする油かすだ。
この残渣が原因で多くの事故が起きているが余り知られていないのが実情だ。
残渣という言葉から連想するのは、残りかすでそれほど危ないものではないと思うのだろう。
ところが、残渣が原因で起こっている重大事故は沢山ある。
残渣は「詰まったり」する。これが事故の引き金になる。
残渣が原因でバルブなどが詰まると、液が抜き出せなくなる。
針金などでバルブをつついていて、突然液が噴き出し事故になるケースは多い。
次に残渣は、残渣の中にガス分が含まれていることで起こる事故事例も多い。
タンクなどに溜まった残渣を取り除く作業で起こる事故のパターンだ。
作業を始める前にタンク内をガス検しても、ガスは存在しない。
それで、簡単に工事の許可が出る。
ところが、残渣をスコップなどで取り出す作業を始めると残渣の中に隠れていた可燃性ガス分などが出てくる。
それに気づかず、作業を進めていると突然残渣が着火する事故だ。
逃げ遅れて大やけどをして死亡する事故が昔から起きている。
もう一つの事故のパターンは、残渣の自然発火だ。
残渣というものは混合物だ。発火点の低いものから高いものまで色々な物質が混在している。
残渣は油の固まりだから、固まりの中で発熱する物質があれば蓄熱する。
しばらくすると、発火点の低い物質に火がつき火災となるのだ。
こんな事故もあるので参考にして欲しい
反応副生物が蒸留残渣に蓄積して爆発した事故だ
http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000093.html

2019年02月22日