リスク管理は難しい

リスクを管理するときに、危険源が顕在化する頻度を考慮する。
例えば、数ヶ月ごとに起こるのか、数年ごとに起こるのか、数十年に一度起こるのかだ。
更に被害の大きさを考慮してリスク管理では考える。
化学プラントであれば、大きな爆発を頻繁に起こすようでは困る。
地震に対しても対策は行ってきている。
では、原発はどうであろう。
従来、原発のような最重要設備は、100年に一度の地震にでも耐えられるというキーワードで造られてきた。
最近100年で日本周辺で起きた地震のマグニチュードは、最大で8.2が2回、次が8.1で、これも2回だという。
ところが、2011年の東北大震災の地震規模は、マグニチュード9レベルだ。
これと同じ規模の地震は、869年に起きた「貞観地震」とよく似ているとの記事もある。
つまり、1000年前の地震が原発の悲劇を引き起こした。
1000年に一度、起きるか起きないかといった規模の大地震だった。
専門家が、まさか起きることはないだろうと思っていた地震が起きてしまった。
とはいえ、地球レベルで見て見ると、M9レベルの地震はおきている。
1900年以降、今回を上回る地震は、チリの9.5とアラスカの9.2が存在する。
日本という視点で見るのではなく、地球規模で見れば100年間でM9レベルの地震は起こると言うことだ。
リスク管理は本当に難しい。想定を厳しくすればするほどコストが嵩んでしまう。
隕石が落ちてくることも想定すべきリスクの一つだが、そこまで想定に入れているのだろうか。
どこで折り合いをつければいいのか?
やはり原発のような設備は、1000年に1度の地震にも耐えられるものが求められるだろう。
経営者に全て判断をゆだねてはいけない。
安全に関する専門知識を持ち、また現場にも精通している人が、リスクをしっかりと責任を持ち判断することだ。
天災などの外乱にが原因で事故を起こさない為には、自分の人生の何倍も何十倍も前までさかのぼって過去の事例を調べてみることだ。
安全を担当する人に、今まで大丈夫だったは通用しない。

2019年04月04日