除害装置の設計能力

除害装置の設計で考えさえられることがある。
設計能力を超えて毒性ガスなどが除害装置に入り込んできて事故になることが多いからだ。
リスクアセスメントが甘かったと言えばそれまでだが、過去にどんな事故事例があるかを知らなければ平均的な設計しかできないだろう。
最悪の事態のリスク想定を誤るからだ。
能力を超えてしまう事例で多いのが、毒性ガスの想定で設計していたものが、液化ガスが入り込んできてしまう事例だ。
例えば、塩素ガスを処理するはずのものが、運転などが乱れて液化塩素が除害装置に漏れ混む事例だ。
液化塩素が気化してガス化すれば、その量は膨大となる。
当然処理能力は足りなくなる。安全率を見ていても3倍程度だから、とうてい処理できる量ではない。
もう一つの事例は、毒性ガスを取り扱う装置が複数台あるケースだ。
トラブルが起こるのは、一つだけと思っていたのが同時に全ての装置が緊急停止するなどして
大量の処理すべき塩素などの毒性ガスが除害装置が流れ込むケースだ。
やはり、最悪の事態を想定していないから、事故になるケースだ。
もう一つの事例はこうだ。
トラブルに備え、予備の除害装置を予め用意していたのに事故になるケースだ。
除害装置は、トラブルが起きてもすぐに立ち上げられるものでは無い。
起動には時間がかかる。もたもたしている内に、処理が追いつかず大量の未処理ガスが放出されるケースだ。
それでも、遠隔で操作できるようになっていれば良いのだが全て手動という設備が多いからだ。
大量の毒性ガスが漏れているときは現場には近づけないはずだ。
除害装置は、遠隔で操作でき、しかも自動起動できる設備でありたい。

2019年04月10日