仮設ホースで逆流が招く事故

運転条件を変えることは、化学工場では当たり前のようにある。
例えば、装置に今までに無い液を加えることもある。
きちんと、金属製の本配管を設置すればいいのであるが、うまくいくかがよくわからないときは
金属では無く仮設ホースで済ますことは良くある。
流す流体に当然配慮して、仮設ホースを選定はする。とはいえ、できるだけコストのかからない安価なホースを選定する。
例えば、酸性の腐食性物質で無ければナイロンなどの安価なホースを使うこともある。
当然、耐圧も考え、それなりに材質のホースは誰でも使う。
たしかに、当初考えていた流体に合うホースは誰でも選定するのだが、問題は想定外の流体が流れてしまうことである。
例えば、ホースへの逆流である。当然、想定外の物質が流れてくるのである。
想定外だから、流体に耐えられなければホースが破れることになる。
こんな事故事例を見つけた。塩酸を取り扱う装置である。
あるとき運転条件を変更し、仮設でフロンを入れるナイロン製ホースを仮設した。
ところが、運転開始時ホースのバルブを閉め忘れ塩酸が逆流してホースが破れたという事故だ。
下記のURLを参照して欲しい。
https://www.khk.or.jp/Portals/0/resources/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2013-066.pdf
HAZOPなどでも逆流はリスクの拾い出しで注意が必要な項目だ。
逆流は設計条件とは、想定外の条件になることだ。
逆流というキーワードで事故事例を学んで欲しい。

2019年04月14日