真空ポンプの小火

ある研究所で、長いこと使っていなかった真空ポンプを動かしたところ、排気ベント部での着火事故を経験したとの研究所員の話があった。
数年前の話であるが、わたししもこの時は、事故原因は何かわからなかった。
その後、色々な事故事例を経験した結果こんな理由であることがわかってきた。
可燃物を取り扱う真空ポンプなら、排気には少なからず可燃性のガスが排気される。
ポンプの潤滑剤に、シリコンなどの潤滑剤を使えばこれも少なからず着火源があれば燃える可能性はある。
真空ポンプの排気部は、潤滑剤や排気ガスなどのミストで空気と攪拌されれば静電気が発生するという。
空気と油とが混ざり攪拌すれば周辺で静電気が起こるのだ。
ダクト排気部の静電気対策がしっかりと取られていなければどんどん静電気がたまる。
潤滑油に、水を使っていれば問題は無いが可燃性の潤滑油であれば静電気で当然着火する。
潤滑油は、時間とともに劣化して発火点は下がる.長いこと使っていなければ火がつきやすくなると言うことだ。
そして劣化した潤滑油ミストでダクト部などで小火になることがあるらしい。
真空ポンプメーカーなどの取説を読むと、可燃性ガスに使う真空ポンプなら
潤滑剤は水を選定せよという表現がある
研究所で、真空ポンプを使う時に潤滑油の選定に注意しないといけないと言うことだ。
排気部のダクトも樹脂製だと静電気が起こる。
金属製にして、静電気を逃がす方が良いとメーカーのカタログにもある。
たかが真空ポンプと思わないことだ。
しっかりと静電気対策を取らないと火災事故を起こすと言うことだ。

2019年05月25日