コーテングとライニングの違いを理解せず起こる事故

配管や機器などにテフロンなど樹脂を吹きつけ利用するケースは多いはずだ。目的は様々だが、耐食性をあげることによく使われる。
いわゆる腐食対策だ。
鉄などの安価な母材に、テフロンを貼り付けて腐食から守る方法だ。
高級な金属を使わない利点があるので、コスト面でも有効な腐食対策だ。
しかし、テフロンなどの樹脂を吹き付ける配管や機器を購入するときには、用語に注意して欲しい。
一般的に、コーテングと言えば薄くテフロンなどの樹脂を吹き付けることをいう。
厚みはμm単位だ.薄く吹き付けるのだ。
一方、ライニングという言葉がある。これは、樹脂などを厚く吹き付けることをいう。
単位はmmクラスでかなり厚くなる。
したがって、このコーテングとライニングという用語の違いを理解せず製造メーカーお任せすると事故になることがある。
テフロン樹脂を吹き付ける配管や機器を購入するときは、吹き付ける厚みに注意して欲しい。
コーテングのように薄ければ、浸透することがあるからだ。
良く起こるのが、塩酸を使う装置などでのテフロンの吹きつけだ。
塩酸という液体は、テフロンで耐食性を持たせることが出来るが、塩酸からガスが発生していると浸透する。
時間をかけてガスが浸透していきテフロンに膨らみをつくることがある。
そのように弱くなったところからガスが鉄などの母材に浸透し腐食が始まってしまうのだ。
塩酸を取り扱う液面計の事故を一件紹介しておく。
https://www.khk.or.jp/Portals/0/resources/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2010-293.pdf
テフロンが薄くて塩酸ガスが浸透した事故だ.テフロンを吹き付けた機器を購入するときは厚みに注意して欲しい。
メーカーお任せでは事故が起こると思って欲しい。
PFAライニングの寿命診断というメーカーが公開している資料がある。
これも一読しておいてほしい。
https://www.nichias.co.jp/research/technique/pdf/363/06.pdf

2019年06月18日