安全の強化策は時代が変化しても大きな違いは無い

日本で大きな事故が多発したのは、今から約40年前の1970年代だ
当時は、化学会社で大きな事故が頻発していた
企業の自営消防車は毎週出動していた
それが当たり前の時代だった
しかし、トラブルを糧として化学会社は確実に事故防止のノウハウを身につけた時代だ
当時どのような、安全の強化策をとったかはどの企業にももう記録は残ってはいない
当時のことを思い出しながら少し書きだしてみる
事故が起きるたびに、安全組織の強化が行われた
当時は、安全は工場が執り行う物だとの観点があったが、やはり本社が安全を統括する機能を持つべきとの考えが生まれた
本社に安全管理部門新設、または強化が行われ、安全管理部門が社長、工場長直属組織に改編し権限強化が行われた
ここで大事なことは、本社がえらいというわけではない
工場は工場なりにしっかり安全管理はしても、やはり現業ベースと言う視点で安全を管理すると工場では見えない物も多く存在するとの問題点を感じたからだ。
本社の安全管理部門の当時の役割は、工場と違う視点で安全をみる能力が求められていた
当時は公害問題対策で、本社の安全部門は手一杯だった。つまり、本社機能を本来の姿に戻す(公害対策で忙しかった、官庁との渉外で忙しかった)ことが大きな課題であった。
もう一つの問題点は、当時は企業規模の拡大が問題点だった。
次々と事業拡大し、装置の大型化で管理者の管理スパンが急速に広がりだした時代でも有る。
これで良いのかと見直しが行われたものの十分ではなく、管理者の管理密度の問題が出始めたのもこの時代だった
この問題は今の時代でも顕在化している
管理者が見れる領域の限界を曖昧にしていると事故が起こる
安易に二つの組織を統合して管理スパンが広過ぎたことにより事故も起こっている
自分の企業の管理職の管理スパンが妥当なのか常に経営者はチェックして欲しい
組織の統合化が引き起こす事故も多いと言うことだ

2019年07月29日