電気配線のゆるみが事故につながることがある

先日北海道に出かけていたとき、何気なく地元の新聞を見ていた
北海道電力の原発設備の電気トラブルに関するものだった
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191109-00000001-htbv-hok
去年、停電時に自動起動するはずの非常用発電機をテストしたら動かなかったというのが発端だ
原因は、配線のねじが緩んでいたことだ
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/310781
1年かけて、調査をしてきたところどうやら約10年前の納入段階から配線は緩んでいたらしい
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51948640Y9A101C1L41000/?n_cid=SPTMG002
北海道電力は、製造した会社の監査が不十分だったとしている
いわゆる、製品の受け入れ検査のありかたに問題があったという意味らしい
https://www.hepco.co.jp/info/2019/1246121_1803.html
https://wwwc.hepco.co.jp/hepcowwwsite/info/2019/__icsFiles/afieldfile/2019/11/08/191108.pdf
発注者側の製造メーカーの品質管理能力の問題と製造メーカー側の品質管理能力の両方が関係する
今は、発注者側にも、メーカーの能力を見抜けるようなたたき上げの人がいなくなっているはずだ
原発を造ったり、増設改造した人はたぶん電気盤などのメーカー検査の経験はある
昨今のように、原発が動かなければ、若い人は検査の経験を積むこともできない
製造メーカー側にも、ベテランが少なくなってきているのだろう
電気の配線チェックは、通常導通チェックという手法で一本一本配線を検査していく
線をつないでいなかった、誤ったところにつないでいれば、この方法で簡単に異常を見つけられる
しかし。今回のように、端子の絞めが甘かったというのを導通検査などで見抜くのは難しい
完全に緩んでいない限り、線の導通検査では発見できないこともあるからだ
今回は、初期不良だが工場にある何十万本という配線のゆるみを経年で管理していくことは難しい問題だ
配線の端子は、時間が経てば緩んでくるものもある
赤外線カメラなども使って接触不良をうまく見つけて欲しい

2019年11月11日