技術伝承

 8月末締め切りの原稿をぎりぎりで書き終えた。テーマは「事故事例からの教訓」だ。石油化学工業協会で、毎年講演しているものを文書にして書籍の一部に取り込んで発刊するという。化学工業社という出版社が発行する「産業安全論」という書籍だ。改訂版を発行するとのことである。たぶん年末頃に発刊されるという。

 事故事例に学ぶことは大切である。しかし、過去の事故事例を手に入れることは容易ではない。公開されているものでも、どこにどんな情報があるかは案外知られていないからだ。

 次に事故の内容を知っても、そこから役に立つ情報を取り出すのはなかなか難しい。その事故固有の原因や対策を学んでも、応用が効かないからだ。事故から学ぶものは、事故の事実ではなく教訓でなければならないからだ。

 では、教訓とは何か。教訓はどうやって取り出すのかというと、これもなかなか難しい。取り出すには、こつがあるからだ。

今回の原稿では、私が過去数千件の事故事例を見て学んできた教訓を紹介しながら、教訓を取り出すこつを説明している。発刊されたらまた紹介するのでしばらくお待ちください。

 

2016年09月02日