危険源の特定に関する法規制はどうなっているのか

危険物や高圧ガスを扱う工場では,事故の未然防止が求められている
事故が起きてから,原因と対策を考えるのでは無く,昨今では事故が起きる前に事故の未然防止をせよと要求しているのだ
アメリカでは、化学プラントに対し1992年に労働安全衛生法(OSHA)で化学プロセスを安全に管理する方法を法で規定している
PSM('プロセスセーフテイマネージメント)という管理手法だ
http://www.osakasys.com/Library_Files/keiso_201404_PSM.pdf
https://www.ipros.jp/technote/basic-process-safety/
この中でプロセスの危険源の特定や、リスク評価などの危険分析を行うことを要求している
では,危険源の特定に関して、日本の法律ではどうなっているか調べてみた
2000年代にはいって法関係の通達などが出されている
まずは,危険物関連の法律だ
2005年1月14日に、消防法 危険物の規制に関する規則の一部改正という通達が出ている
施行は,2005年の4月1日だ
https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/assets/170114ki14.pdf#search=%27%E6%B6%88%E9%98%B2%E5%8D%B1%E7%AC%AC14%E5%8F%B7%27
この中の,5ページ目 第二項 危険要因の把握に基ずく事故防止対策の推進に関する事項がある
製造工程や設備変更時に、危険要因の把握と対策を実施せよと規定している
いわゆる危険源の特定を行って,事故の未然防止をせよと要求している
高圧ガスに関する法関係では、2005年の3月30日に
「認定完成検査実施者及び認定保安検査実施者の認定に係る事業所の体制の基準を定める告示」(以下「認定告示」という。)
が制定されている
高圧ガスの認定工場に要求事項だ 告示86号だ
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2005/1784.html
この告示では、アメリカのOSHAで規定しているPSMの考えを幅広く取り込んでいる
今や,消防法や高圧ガス保安法でも危険源の特定を事業者に要求している時代だ
化学プロセスに潜んでいる危険源を拾い出し,評価し,対策を打つことだ
拾い出した危険源は,特定の従業員が知っていればいいわけではない
見える化して、そこに働く従業員に理解させておくことも大切だ
危険源を特定することを怠らないで欲しい

2019年12月18日