溶接工事での迷走電流

電気溶接という言葉をご存じだろうか アーク溶接とも呼ばれる、一般的な溶接方法だ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%BA%B6%E6%8E%A5
https://www.kousakukikai.tech/arc-welding/
原理は簡単だ、溶接する部分に溶接棒という金属の棒を近づけるのだ
溶接棒には数百ボルトのプラス電圧がかかっている。一方、溶接される側の金属にはマイナスの線を溶接機からつないでおく
溶接棒が金属に触れたとたん、電気がショートしたように電気放電が始まる この電気放電をアークといい、ものすごい高熱が発生する
この時の熱を利用して互いの金属を溶かし、金属同士をつなぎ合わせるのを溶接という
簡単で便利な溶接法であり、化学工場などでも多く使われる
溶接に伴い、金属内には電流が流れることになる
電流は、プラス側である溶接棒から、マイナス側に流れる つまり、溶接機からつないだマイナス側の接地部に向かって流れる
ところが、溶接部の近くにマイナスの接地をしないと、電流は戻る場所がわからなくなる
この結果、あたかも迷走するかのように色々なところに電流が流れてしまう
この迷走する電流を迷走電流と呼んでいる
迷走電流は、火災事故を発生することもある
https://mainichi.jp/articles/20200118/dde/041/040/026000c
こんな事故事例も起きている
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/%E4%BA%8B%E4%BE%8B%EF%BC%88%E7%81%AB%E7%81%BD%E7%88%86%E7%99%BA%EF%BC%9B%E8%A3%B8%E7%81%AB%E7%AD%89%E4%BB%A5%E5%A4%96%E7%9D%80%E7%81%AB%E6%BA%90%EF%BC%89/2020%E5%B9%B41%E6%9C%8818%E6%97%A5%E5%A0%B1%E9%81%93%E3%80%80%E3%80%8E%E5%B7%A5%E4%BA%8B%E7%8F%BE%E5%A0%B4%E3%81%A7%E8%AC%8E%E3%81%AE%E5%87%BA%E7%81%AB%E3%80%80%E5%8E%9F%E5%9B%A0
迷走電流は、計器などを壊すこともある 計器の中を強い電流が流れてしまえば、中にある部品を破損させてしまうからだ
昔工場にいたとき、現場にある空気式調節計という計器の中に迷走電流が走ったことがある
空気式計器は、内部に細い金属部品が使われている その針金のような部品が溶けて無くなっていた
なぜ迷走電流が発生するかというと、マイナス側となる接地する設置場所が溶接部から遠すぎるからだ
基本は、溶接部のすぐ近くに接地線を取り付けることだ これであれば、迷走電流は発生しない 電流は、すぐに溶接機側に戻ってくれる
電気溶接工事現場をパトロールするときは、溶接線の接地線(戻り線)が溶接部のすぐ近くになるか確認して欲しい
協力会社に任せておけばいいと思わないで欲しい 安全は企業自らが守るものだ

2020年03月06日