耐圧気密テストで起こる事故

今から半世紀ほど前の話しだが、私が勤めていた化学会社で4人が死亡する事故が起きている
耐圧気密の検査中に、縁切りが悪く装置が破壊し飛び散った破片で死亡した事故だ
4MPaの高圧で検査は行われていた。破裂したのは、耐圧性能は0.4MPaしかない部分だ
当然、高圧がかからないように縁切りという措置はしていた
しかし、縁切りは単純に弁を閉めることだけで行われていた。ところが、弁が少しではあるが漏れていたが気がつかなかった。
いわゆる、弁の内漏れということだ
万一、弁が内漏れをしていても、耐圧性能の無い装置側のベント弁かドレン弁を開けておけば問題は無かった
つまり、漏れ込みがあっても圧力が逃げてくれるからだ
しかし、残念ながらベント弁やドレン弁は開けられていなかった
結果として、耐えられる圧力の十倍の圧力がかかり破裂して死亡事故になった事例だ 
1960年代の事故で、当時はまだ石油化学産業が始まって間もない時期だった
耐圧気密試験の要領や作業手順書も完全には整備されていない時代だった
事故を受け、耐圧気密検査の安全対策が色々と整備された
一つ目は縁切りは仕切り板で行うということだ。弁と違って漏れることはない
どうしても弁を使うなら、2つ以上の弁を閉め、その中間部を開放するという方法だ
二つ目は、検査のためにP&IDフローシートをしっかり作成し、加圧部を色塗りして検査箇所を明確にして、関係者と事前打ち合わせする
三つ目は、ブルドン管圧力計を2つ以上付けるだ。1つだと針がひっかかかっていることもあり事故につながるからだ
四つ目は、現場に加圧中という表示をすることだ 
それ以外にも色々なことが決められ、以後半世紀以上立つが同じような事故はこの企業では起こっていない
耐圧気密検査は、危ない作業だ。腐食して万一耐圧性能が無ければやはり装置は破壊する。
基本的には近づかない方がいいのだろうが、定修の最後の段階で行われることが多く人の動きも多い
先日、こんな災害事例を見つけた。 怪我で済んだからいいものの、ひとつ間違えば死亡事故にもつながりかねない
https://www.khk.or.jp/Portals/0/khk/hpg/accident/jikogaiyouhoukoku/02-02_2018-406.pdf
耐圧気密テストを甘く見ないで欲しい
化学工学会などにもこんな記事もあるので参考にして欲しい
http://sce-net.jp/main/wp-content/uploads/2016/03/DANWA2013_09_No87.pdf
https://www.aiche.org/ccps/resources/process-safety-beacon/archives/2013/september/japanese

2020年03月24日