禁水性物質の事故事例

ある会社から化学薬品の取り扱いという執筆依頼を受けて原稿を書いている
いろいろ事故事例を探していたらこんな事故が見つかった
反応器に、マンホールから袋に入った禁水性物質を投入していた時に起きた事故だ
反応器には、トルエンという可燃性液体が入っていた
この為、内部を窒素でパージして窒素が充満するようにはしてあったそうだ
その後、マンホールを開け作業員が禁水性の粉末物質を投入し始めた
この日はとても暑いで作業場所は屋内で換気も悪かった
この為、作業員は大量の汗をかきその汗が投入していた禁水性の粉末に落ちたとたん火がついたというのだ

最初は炎は小さかったがあっという間に開けていたマンホール全体に火がついたという
マンホールを長時間開けておいたことで、反応器内に空気が入り込みトルエン蒸気がマンホールから出ていたのだ
なにせマンホールを数時間開けておいたのだから、最初に窒素でパージした効果はもう薄れていたのだろう

この事故の教訓は たとえ人の一滴の汗でも禁水性物質は着火すると言うことだ
マンホールを開けて投入すること自体にも問題がある マンホールを開ければ空気が入り込むからだ
反応器内に可燃性の引火しやすい液体があれば、マンホールから可燃性蒸気が出てくるはずだ
とにかく、反応器へ危険物を投入するなら密閉系で投入できないか考えて欲しい
詳細はここをみて欲しい
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101079

2020年04月11日