高圧ガススーパー認定制度での認定要件

高圧ガススーパー認定制度でのソフト面、ハード面の認定要件をまとめてみるとこうだ。 まずソフト面で人材や組織体制を要求している
人という切り口では、高度な人材の確保と育成だ。つまり安全面で、潜在する危険源を確実に抽出し高度にリスク評価できる人材がもとめられている。HAZOP(Hazard and Operability Study)などの安全性評価手法を使いこなせる人材だ。
事故情報のデーターベース化などによる蓄積情報の充実で過去の教訓を使いこなすことも必要だ。
変更管理体制の充実も求めている。事故は何か「変更」したときに起きやすいという考え方からだ。
運転面では、定常時のみならず非定常時においても異常に対応できる高度な人材を育成し配置することを求めている。
事故は、緊急時、運転開始時、運転停止時や試運転時などいわゆる非定常時に起こりやすいからだ。
技術管理面では、長期連続運転を可能にする管理基盤を体系的に構築し、管理するシステムを作り上げてPDCAを回すことを求めている。
高圧ガス保安法ではこの仕組みを保安管理システムと呼んでいる。アメリカのPSMなどの要求項目を取り入れたものだ
検査管理面では、検査データーを高度に評価する人材を要求している。保全技能士、技術士、電気主任技術者などの有資格を入れて検査体制を充実することを求めている。長期連続運転には、高度な余寿命を推定する技術が必要だから。
膨大な検査データーをビックデーターとして解析し高度に活用し評価できる人材が求められてきている。
教育訓練では、緊急時対応能力の向上、体感型の教育訓練設備の活用やベテランOBを活用した技術伝承が要求される。
ハード面では、最先端の高度な技術導入と情報の活用を要求している。ドローン技術の活用、IOT(Internet of Things)やビックデーターなどの先端技術などが例に挙げられているが、最新の設備診断機器やセンサー技術も含めてのことだ。ドローン技術は図1にように高所での機器異常点検が試行されている。
機器点検分野では、超音波などを使った非接触型設備診断器具の活用、3Dレーザースキャンによる腐食箇所の早期検知などだ。
計装分野での先進技術としては、アラームマネージメント、AIなどを活用した運転支援システム、モバイル端末利用によるデーター収集と解析、赤外線カメラと組み合わせた高度ガス検、自己診断機能を持つスマートバルブの活用などが既に始まっている。安全計装システムの導入も高度な技術と言えよう。経済産業省からこんな文章が出ているので参考にされたい
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/images/sp-nintei/pdf/sp-nintei_naiki300330.pdf

2020年05月06日