事故や災害に思う-事故は教訓を伝えよ

各地で講演すると必ず事故事例を話したら、その事故の対策を知りたいという要望が出る。
私が、限られた時間で講演する目的は、限られた時間に本質的なことを伝えたいのだ。
つまり、事故事例を話すのは。その事故を伝えたいからでは無く、その事故に含まれている貴重な事故の教訓を伝えたいからなのだ。その事故の、個別的な事故対策を話すのが目的では無いのだ。
個別的な事故の対策で一番知りたいのは、人に関する判断ミスなのだが、現実その情報を得ることは不可能に近い。
物質危険性や機械の故障原因など、工学的な部分は事故報告には書かれているが
しかし、人に関する人文学的な情報は事故を起こした企業からまず公開されることは無い。
事故の原因の半分以上は、人のミスと言われるが、事故を起こした企業が人にかかわる部分を公開することはほとんど無い。
つまり、人に関する情報が公開されないから事故は繰り返すといっても過言では無い。
全く同じ事故が、同じように二度と起こることは無い。
人は賢いから、事故に直接かかわった人は事故から何かを学び同じ事故は起こさないからだ。
とはいえ、直接に事故にかかわらない人は、情報を手に入れることはできない。
事故の本質に触れることはできないので、また同じような事故を他の人は起こす。 
これが、事故が繰り返されるからくりだ。
このような背景から、事故事例を簡単に説明しても対策まではあまり触れていないのだ。
また、あえて対策を説明していないのは、事故の対策は無数にありそれを説明していては無限の時間を費やしてしまうからだ。
時間は限られている。限られた講義時間で最大の効果を上げなければ時間の無駄だ。
私は、一つの事故から、他の職場でも教訓としてつかえるものを発掘し伝えることが、事故防止には不可欠な活動だと考えている。
時間は限られている。限られた時間で、いかに有効な情報や、気づきを伝えられるかは非常に重要な要素だ。

2020年06月05日