タンク周りの火気工事で起こる爆発事故

タンクの側板や天板などで火気工事することがある。
タンクの上に、計器などを新設すると電線管用のサポートをタンクの側板などに溶接して取り付けるケースだ。
当然、火気工事であれば養生が必要だ。可燃物のタンクであれば、液を抜きパージまではするだろう。
これで、安心してしまうから事故が起きる。タンクの液を抜いたらばそれで安全というわけではない
安全を配慮し脱液をしていても、火気工事を始めて、しばらくしてタンクの中から煙が出始めてしばらくして爆発したという事例がけっこうあるのだ。
盲点は何かというと、「工事の場所はタンクの外側」だから事故は起きないという安心感なのだ。
外側だから事故は起きないと思い込んでしまってはいけない。
タンクの外側の工事だから、タンク内部で何かが起きるはずが無いと思い込んでしまってはいけないのだ。
タンクの外側の火気工事であっても、溶接などの熱は千度近くもあるはずだから、内部へ伝熱して伝わると思わなければいけないのだ。
溶接作業をすれば、タンク内側の金属板の表面温度は数百度にもなる。数百度もあれば十分着火温度だ。
タンク内の液を脱液したといっても、タンク内部は洗浄しているわけでは無いから油分がこびりついていることがある。
これが、熱せられて低沸点物の可燃性ガスがタンク内に充満していくことがある。時間が経てばガス濃度は増していくから、爆発混合気がタンク内部にできてしまうのだ。
溶接の伝熱で着火温度以上になってしまえば、あっという間に着火爆発という事態に発展してしまう。2010/9/24にこんな事故が起きている https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/51/5/51_339/_pdf/-char/ja
爆発まではいかないにせよ小火や火災はかなりの事例がある。
タンクの事故事例を紹介したが、金属製の排気ダクトなどでも外側で溶接などをしていると同様の事故は起きる。ダクトの内側に油スラッジなどが付着していることがあるからだ。
タンクの外側の火気工事だから安全だと思わないで欲しい

2020年06月07日