「設備の老朽化」と「団塊の世代の退職」

事故原因としてよく取り上げられるのが、「設備の老朽化」と「団塊の世代の退職」という2つのキーワードだ。
前者は、ハード面の問題で、後者は技術伝承など人にかかわるソフト面の問題と考えることもできる。
しかし、設備の老朽化と言っても、機械が悪いわけではない。
設備は、人が異常を監視し、寿命予測を行うわけだから人間側にも管理や能力面で問題があったと考えておく必要がある。
異常を予見する能力だとか、異常の兆候を効率良く見つける能力が低下すれば、事故が起こりやすくなる。
言葉を換えると、決められたことを決められた通りにやる能力だけでは事故を未然に防ぐことは難しい。
色々考えて対応する、「考え抜く」力が今もとめられている。
団塊の世代とは戦後大量に生まれた人達のことだ
この人達は,ちょうど日本が高度経済成長していた1960年代後半から1970年前半に入社した人達だ
設備の建設や改造など色々なことを経験してきた人達だ
この人達が退職する時期が2000年代後半だった
急激な退職による技術伝承の問題を避けるため国は5年間雇用延長をできる再雇用制度を作った
この結果、2010年代前半迄はこの団塊の世代が会社には存在していた
先日、危険物施設の事故の傾向や技術伝承についての報告書を見つけた。
川崎の消防が各企業の安全担当者にアンケート調査した資料だ。
川崎市のホームページで紹介されている報告書だ。2015年に出された報告で参考になる内容が書いてある
設備の老朽化と技術伝承などの視点で川崎地区の現状を解析したいい資料だ
興味のある方は、一度見て見ると良い。
http://www.city.kawasaki.jp/840/cmsfiles/contents/0000066/66065/kikenbutujikokeikou.pdf

2020年07月09日