有機溶剤の静電気着火事故

研究所や実験室などで有機溶剤は沢山使っているはずだ
自分が取り扱っている物質の引火点を知っているだろうか。引火点とは、火がつく温度だ。
有機溶剤と言われる物質は、引火点は非常に低い。例えば、マイナス数度だ。
有機溶剤はガソリンと同じだ考えて欲しい
夏場の気温は30度前後だから、簡単に火はつく。火がつく原因は、静電気だ。
アセトンなど有機溶剤は導電性は無い
つまり、静電気は簡単に逃げていかない。アースという方法で有機溶剤の静電気は逃がせない。
流速が早ければ、静電気は大量に発生する。この流速というのがくせ者だ。
有機溶剤を流すときには、当然配管がある。配管の出口が、流速が遅いから安全だと思い込んでは困る。
出口の前の途中経過の流速が早いことも当然あるはずだ。
流速の早いところで静電気は起こっているから。その静電気が逃がせないまま出口まで到達する
かなりの高電圧のまま出口から液は噴出することになる
言いたいことは何かというと、長い配管途中で大量の静電気が発生するような状況では帯電した静電気が逃げなければ出口流速とは関係なくかなりの静電気が存在するので簡単に着火すると言うことだ。
とにかく、引火点の低い物質はしつこいくらいに静電気対策が必要だ。
床に落ちた有機溶剤を乾いた布で拭いただけでも静電気は発生する
乾燥した布なら簡単に火花が出て静電気で有機溶剤に着火する
有機溶剤を布で拭くなら、水で濡らした布で拭いて欲しい
水分量を増やせば静電気で着火は防げる
有機溶剤を甘く見ないで欲しい

 

2020年08月05日