直下型地震による影響--機器基礎の不等沈下

2年前の2018/9/8北海道で震度7の地震があった。M6.7だ。
地震で、北海道全停電となるとんでもない事態も起きた
大型の発電所が機能を停止したからだ。この発電所は、震源地から余り離れていなかったという。

過去に震度7という地震は、直近では2004年の新潟中越地震というのがある。2004年10月23日だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E6%BD%9F%E7%9C%8C%E4%B8%AD%E8%B6%8A%E5%9C%B0%E9%9C%87
震度7,M6.8、震源の深さ13kmの直下型の地震である。

震源地近くの小千谷観測点では、最大1500ガルを超える震動を観測している。
化学プラントなどでは、150~200ガル程度の地震が起きれば安全のために停めていることを考えると、1500ガルというのは
とんでもない加速度だ。
最近耐震強度の見直しがされた、球形タンクの耐震設計でも600ガルの耐震性能だ。
以前は300ガルの耐震性を満たせば良かった。

2004年に起きた、新潟中越地震では、原子力発電所の震度計は680ガルの値を記録している.。当時の設計想定の約倍だ。
https://news.yahoo.co.jp/byline/fukuwanobuo/20170716-00073311/
この地震により、原子力発電所で火災が起きている。電気室の外にある変圧器の火災だ。
電気室の建物の基礎と、外にあるトランスの基礎が別々の基礎であった為、地震の揺れで別々の動きとなったからだ。
別々の動きをすれば、電気のケーブルには無理な力がかかる.引きちぎられたりすれば、絶縁が不良となりショートする。
当然火花を出すから、このケースでは火災になった。当時は原発は自前の消防隊を持っていなかった
自治消防とも専用電話回線もなかった 自治消防もすぐには駆けつけられず火災はすぐに消せなかった
幸い原発には影響はなかったが、問題となる事故だった

機器の基礎が別々になっていると、こんな事故も過去に起こっている。
油を入れるタンクの外に、ポンプがあるケースだ。地震が来れば、タンクとポンプは別々に揺れる。
配管がずれれば、無理な力が加わり配管が割れて、油が大量に噴き出したこともある。
フレキを入れていても、ズレが大きければ引きちぎられる。
基礎を別個にするか、一体ものにするか地震対応では考えるべきことだ。

 

2020年09月08日