安全担当者の悩み-保安力を高めるために-リスクアセスメント

保安力という言葉がある。事故を未然に防ぐ企業や組織が持つ力量を表すのに使われることがある
保安力の構成要素には色々なものがある

最近取り上げられているのは、リスクアセスメントの能力だ
リスクアセスメントをやっても事故を未然に防げ無ければ、リスクアセスメントをやっていることにはならない
そうは言っても、世の中にはあらゆるリスクがある それを的確に拾い上げられなければ、リスクは見落とされる

リスクの拾い出しは広く浅くもあるが、時には深掘りも必要だ この深掘りの要素も落としてはいけない
アセスメントの対象は、化学プロセスそのものもある。爆発や火災などの化学災害の防止だ
もう一つは、現場の、作業工程の人による作業のリスクアセスメントも大切だ。労働災害防止には不可欠だ

リスクアセスメントは時間がかかる、長期的な計画を立て、危険度の高いものから実施していくことだ
企業にはこの長期的という観点が常に必要だ。しかも重要度に応じてが大切だ

化学企業で重要度を格付けて物事を考えるようになったのは、1970年代後半だと記憶している
機械や計器の点検周期を決めていくときに重要度格付けというものの考え方が導入された

やみくもに装置を点検するのではなく、重要度の高いものは短い点検周期、低いものは長い点検周期で点検を実施する
重要なものは早く悪いところを見つけ出し、安全を確保しようという考え方だ

この考え方は、保全計画を立てるときに有効な武器となった
1979年に日本では、PC-8001というパソコンが販売された 
このコンピューターを使って当時の上司が、コンピュータで点検計画を立てていた
当時のコンピューターの処理能力はまだまだで、石油化学プラントの点検計画を立てるのに数日かかっていたのを覚えている
重要度を格付けするというのはリスクアセスメントの基本だ
常に重要なものを優先して考えていくことだ とはいえ、時には格付けの見直しも必要だ
常に、運転条件や原材料などお変化しているからだ 変更管理も必要だ

2020年10月10日