事故や災害に思う-過去の災害に学べ

報道はされなくても多くの事故が起こっている
年間何万件もの事故や災害は起こるのだがほとんど報道されることはない
化学プラントで事故が起こるのは、危険が存在するからだ。
危険源は、目の前にあっても、知識や経験の度合いでそれが見えるか見えないかが決まる。

日本では、1950年代後半から1960年代にかけて石油化学コンビナートが動き始めた
石油化学というのは新しい産業だからトラブルや事故が多発した
その後装置も大型化、複雑化していくことで事故も増えていった 人が技術について行けなかったのだ
1970年代に入ると事故が多発した 
つまり、1970年代に入社した、団塊の世代と呼ばれる人達は多くのヒヤリハットやいくつかの事故や災害を経験しながら育った。
自ら色々なことを数多く経験したことで、危険源を実感し目の前にある危険源に対応することが出来た。

2007年頃より、事故やトラブルを数多く経験した世代が60才になり大量に退職を始めた。
それでも、その頃出来た再雇用制度により5年間の定年延長などにより、2012年頃まで団塊の世代が企業に残っていた。

時を同じくして、2011年~2012年にかけて化学プラントで重大な事故が、半年ごとに起きていた。
その後も、化学産業だけではなく鉄鋼業界などでも事故が起こっている。 鉄鋼業界でも,団塊の世代が退職していったからだ
事故報告書を見ると、少なからず団塊の世代の退職が影響しているようにも感じる。
失敗という経験が技術伝承にも大きな役割を果たしているのだろう

私も1970年代前半に入社して、多くの経験をさせてもらったひとりだ。
多くの事故は、過去の事故事例からの教訓を知っていれば防げたのだろうと感る。
このブログを通じて私の知っていることをこれからも伝えていきたい。

 

2020年10月12日