ヒューマンエラ-の構造解析その1-記憶の曖昧さ

人が原因で事故が起こることがある これをヒューマンエラー事故と呼んでいる
原因は様々だ。とはいえきちんと原因を解析していないと、ヒューマンエラーによる事故は根絶が難しい
人間はどんなエラ-を犯すかは、かなりわかってきてはいるものの、それをきちんと理解して対策を打っていないのが現状だ

人間は色々なことを記憶していてそれを活用して仕事をしている
記憶というものは曖昧なものだ。思い出そうとしている時に、「こうだったかもしれない」と安易に思い込み誘導されると、実際はそうでないのに、「そうだと思い込んでしまう」

特に他人から、あれこれ言われると、そうかもしれないと思い込み始める
記憶というのは時間が経てばどんどん曖昧になる 他人から誘導尋問的なことを言われればそうかもしれないと安易に感じてしまう

自分の記憶に頼るだけでなく、現場現物を確認することが大切だと言われているのには、こういったことも関係している
また、重要な判断を下す場合、周りから、記憶を変化させるような余計なこと、誘導尋問的なことは言わないように注意する、といったことも必要なのだろう

人からあれこれ言われると、記憶は更に変化すると言われている
例えば事故が起こったとき事故の関係者にヒアリングするときの、注意が必要だ
一度だけの質問では、関係者の記憶が曖昧だから必ずしも正確な答えが出ているとは限らない
日を開けて何回か質問を繰り返すうちに事故当時の記憶を思い出しかなり正確な答えが出てくる

人間の記憶というものは実に曖昧で不正確なものである
時間が経てば記憶はどんどん変化する
外部からの影響を受けて当然記憶も変化する

記憶というものは絶対的なものでは無いと考えておく必要がある
世の中に絶対的な記憶は存在しないと考えて欲しい

イラスト出典 ピクトグラム無料素材より https://pictogram-free.com/04-relationship/365-image-illust.html

2020年11月21日