リスクアセスメントの難しさ

事故が起きてから原因と対策を考えるのでは遅すぎる
事故が起こる前に、自分の職場で想定しうる危険源(危険なことや危険な物を)を拾い出し
それがどんな悪いことを引き起こすのかを考えるのがリスクアセスメントだ
横文字のカタカナで書かれているように外国から導入されたものの考えかただ

約70年前くらいまでは、どこの世界も事故が起きてから原因を解析し対策案を考えるが主流だった
1950年代頃には原子力や宇宙産業など巨大産業が始まった
事故が起きたら大変なことになる
この為、危険を評価することが始まった
1970年代日本では化学プラントで沢山の事故が起きた。 この為、HAZOPのような手法の導入を企業が考えるようになった
1980年代くらいからは事故が起こる前に色々なことを考えて対策を打つのが大切だと考えるようになってきた
いわゆるリスクマネージメントという概念が化学産業でも導入されるようになってきた

そうは言っても、隠れている事故の芽を見つけ出すのは容易なことではない
事故や災害を自ら経験することが無くなってきている昨今ではなおさらのことである

過去に起こっている事故事例をかなり学んでいないと潜在的な危険源を想像することは難しいはずだ
化学物質に関するリスクアセスメントは従来は努力義務であったが、労働安全衛生法の法改正で義務化されてきている
事故が起きて、リスクアセスメントが行われていなければ立件されることもある

そうは言っても、事故の芽を拾い上げて、ことの重大性を考え、被害の最小化を図るのを考えていくのは容易ではない
上手に、危険源を拾い上げたり、被害の最小化に何をなすべきかを体系的に考えることができる人材を組織内持っておく必要がある
難解なリスクアセスメントを職場で具体的に展開できる人材がいなければそう簡単にリスクアセスメントが定着できるわけでは無い

リスクアセスメントと言う手法で世の中の企業がものを考えられるようになるのはまだ10年くらいかかりそうだ
リスクアセスメントと言うのは難しい

 

2020年12月01日