企業の実力-事故災害防止の技術力-外部監査

多くの企業と接することがあるが、企業の実力はピンからキリまである
大企業だから、優れているわけでもない.中小企業でも大企業並みの実力を備えている企業もある
コンサルタントや企業監査などを数多く経験してきているからそれがわかる
CSR報告書などを企業が公表しているが、文字からその企業の実力は見ることはできない。実際の監査に入り質疑応答して企業の本質がはじめてわかる
ISOの認証を受けているからと言って、優れた企業であるとは断定できない。認証は取れても、企業の実力はピンからキリまである
今から40年前の事故ではあるが、大手石油化学企業でエチレンプラントで爆発事故が起きた
倉敷のコンビナートにある企業だ。原因を調べてみると、縁切りに原因があった。縁切りとは、危険な物を確実に遮断することをいう
化学プラントには爆発性の化学物質が存在するから、何か工事をするときには危険な物質が工事箇所に流れ込まないように縁切りをする
いまでは、縁切りには確実な方法が用いられるが当時は、まだまだいい加減な方法が使われていた
火を使う工事をするなら、化学工場では可燃性ガスが侵入しないように、弁を2重に閉めて縁切りしたり、仕切り板という金属の板を挿入する
火を使う現場に、可燃性ガスが万が一でも漏れこまないようにするためだ
ところが、今から40年前、事故を起こした大手企業では、ガムテープでフランジからガスが漏れないような安易な縁切り操作を行っていた
ガムテープでは少し圧力が上がれば、テープがはがれ危険なガスが漏れ混む可能性があるのに安易にそのような対応をしていた
案の定、結果としてガスが漏れ工事関係者に死傷者が出ることになった
他の企業では、すでに仕切り板を使うなど本質的に安全対策が行われていたのに、この大手企業はそのレベルまで達していなかった
1982年4月12日の事故だ このURLから詳細はみて欲しい https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/21/5/21_305/_pdf/-char/ja
事故が起きる前の、過去45年間このガムテープで縁切りして事故は起きなかったとの企業コメントがあるが、あまりにもお粗末だ
ガムテープと接着力は、わずかな圧力上昇で接着面は容易にはがれると想定すべきだ
今まで安全だったは、将来の事故を防ぐことを約束するものではない
企業は常の人の目から見て安全かを検証して欲しい。井の中の蛙大海を知らずでは済まされない
常に外部監査を受け入れる仕組みを取り入れて欲しい

 

 

2021年03月27日