酸素配管ラインの溶接工事が引き起こした金属ストレーナー焼損事故

高濃度酸素のリスクについては、数日前に紹介した
定修工事で配管溶接時の金属くずが引き起こした事故を紹介する
高濃度酸素配管の溶接時に、溶接くずをきちんと清掃撤去しなかったことにより起きた事故だ
エチレンオキサイドという非常に爆発力のある危険な物質を製造するプラントで起きた重大事故だ
幸いなことに、金属製のストレーナーが高熱で溶けて吹きだした酸素が燃えた火災ですんだから大きな事故にはならなかった
ひとつ間違えば、爆発事故になったかも知れない事故だ
事故のレポートと溶けたストレーナーの写真があるので事故報告書で詳細は見て欲しい
https://www.khk.or.jp/Portals/0/resources/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2004-405.pdf
配管内に金属くずがあれば、中を流れたときに配管内壁にぶつかったときに摩擦熱が発生する
気体を流す配管であれば、流速数十メートル/秒となる
高濃度酸素だったため、あっという間に金属片が赤熱し、酸素は支燃性などの激しく金属を燃焼させ、配管部の金属を溶かすくらいの温度まで上昇した事故だ
溶接くずが摩擦熱を引き起こすとは考えていなかったのだろう
又高濃度酸素の支燃性についても知識が無かったのだろう
溶接工事をするなら、機器や配管内に溶接くずが入り込まないようにして欲しい

 

 

2021年06月13日