繰り返すタンク加圧 負圧変形事故

タンクが変形する事故は頻繁に起きている。 通常使われるコーンルーフなどのタンクの耐圧は、水中圧で数百ミリ程度しかない
チッソなどで、タンクをパージしているとき、排気側の能力が低いか、詰まり気味であれば簡単にタンクは破裂する。
タンクの排気弁などは、出口側に金網が付けられていることが多い。ここを、定期的に清掃していなければ詰まることが多いからだ
http://www.khk-syoubou.or.jp/pdf/magazine/193/kikenbutsu_jikokanren_info.pdf
タンクは圧力をかければ破裂するが、その反対の負圧になっても変形する。つまり、タンクは、+の圧力でも、-の圧力でも壊れると言うことだ
タンクは呼吸できなければ、変形すると考えて欲しい
多くの事故が起きているはずなのに、事故報告が公開されることはない。数少ない公開事例をここで紹介する
https://www.aiche.org/sites/default/files/2007-02-Beacon-Japanese_0.pdf
https://www.aiche.org/sites/default/files/2002-02-Beacon-Japanese_0.pdf
窒素シールで圧力コントロールをしているタンクもある この、窒素シールの元弁をスタート時に開け忘れてタンクを凹ました事例もある
タンクの中に貯蔵する液体の蒸気圧の変化でタンクが凹む事故も多い
例えば色々な液がタンクに入り込んで来ると、蒸気圧が変化することがある
新たに投入した液体が、今まで入っていた液体のガス分を吸収する性質の液体であれば一気に蒸気圧は低下する
あつという間にタンク内は負圧に近くなりタンクが変形することがある
タンクの場合は、混ぜることにより蒸気圧が変化することが怖い
急激に蒸気圧が低下すれば減圧状態になりタンクが変形するからだ
タンクに関しては、蒸気圧の変化にも敏感になって欲しい
混合タンクや中間タンクなど色々な液が混ざるタンクではこのような事故が起こりやすい
http://www.adic.waseda.ac.jp/adicdb/adicdb2.php?q=68412
https://www.khk.or.jp/Portals/0/resources/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2008-272.pdf
工事でタンクを凹ましたりすることもある。塗装工事で、ペンキ屋さんが排気部を塞いだり、排気部の金網にペンキを塗って塞いだりする事例だ
http://www.shippai.org/fkd/cf/CB0012007.html
タンクの均圧管に液がたまり、凹んだ事例もある。適度な配管の傾斜をしなかった事例だ
スチームパージしたタンクが凹んだ事例もある。パージ後、ベントやドレンのバルブをあけず、タンクを締め切っていたからだ 
パージに使ったホースを取り忘れ凹んだ事例もある。http://www.shippai.org/fkd/cf/CB0012008.html
スチームは、夜間温度が下がれば水滴になる。その結果密閉された、タンク内空間はバキュームになるからだ
タンク排気弁点検で、ブリーザー弁を取り外した後誤って仕切り板を取り付けた凹み事故もある http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000011.html

イラスト出典 職場の安全サイト 一部修正

 

 

2021年08月11日