研究や化学実験における事故防止--リスクマネージメント

製油所や化学工場で起こる事故については、十分ではないが事故情報はそこそこ,行政機関からも公開されている
ところが大学や企業の実験室や研究所で起こる事故は公開されているかというと、ほとんど情報は無い
研究系でどんな事故が起こっているかは、整理した形で情報はほとんど公開されていないと言っても良い
こんな書籍がある。「化学実験における事故例と安全」という本だ。発行元はオーム社だ。2013年に発刊されている
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274213755/
研究系の安全管理に携わる人なら一度は読んで見てもいい書籍だ。
もう10年近く経つので、絶版になるまえに手に入れて欲しい
この本を読んでみてある程度の研究系リスクのキーワードはわかるかも知れない

もう一つ実験での事故の本を紹介しておく
丸善出版が発行している「有機化学実験の事故・危険 事例に学ぶ身の守り方」という本だ 2004年に発行されている
https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b292881.html
研究系の事故で見られるのは、量が少ないから安全と安全と研究者が思いこむだ。
量が少ないと言うことが、大きな事故のキーワードだ
もう一つ、実験で勝手に方法を変えて起こる事故も多い。実験方法というのは厳密なものなのに安易にやり方を変えて事故になる
文献など資料探索の甘さも事故につながっている
SDSを鵜呑みにした事故事例もある。SDSに全ての情報が書かれているわけでは無い。濃度や温度条件が変われば化学物質の性質は変わる
実験条件と大きく異なるのに安易にSDSの情報を当てはめて起こる事故も多い
取り扱う薬品が多ければ、廃液処理時の混触事故も起こりやすい
研究系のリスクマネージメントも大切だ

 

 

2021年09月24日