延岡の半導体工場火災事故報告書が発行されていた

世の中半導体不足だ。半導体工場での火災事故が、日本では、2020年と2021年に立て続けに起きている。
2020/10/20、九州で半導体工場の事故が起きた 建屋内火災で数日間燃え続けた、大火災だ
この2020年宮崎県の延岡で起きた火災事故の報告書が出ていたので紹介しておく。
https://www.asahi.com/articles/ASP9G6WN5P9GTNAB005.html
企業が出した事故報告書もダウンロード出来る
https://www.asahi-kasei.com/jp/news/2021/ze210914.html
半導体工場は秘密の固まりだ 事故の原因がわかってもたぶん公開されることはないだろうと思っていたがしっかりと公開してくれた
関連企業にとっては、本当にありがたい内容が数多く書かれている
推定原因と、再発防止策だ
推定原因では、電気関係と記述されている。電気ヒーターや、接点類も数多くある。発火源には十分なり得る
装置は、電気部周りは難燃性だが、周辺部にはプラスチック類も多く使われていて一度燃え始めると消すのは難しいとの記述もある
清浄剤として、アルコール類も使われており火炎逸走の被害拡大に関与したようだ
火災報知器はあったものの、人が先に異常に気づいたようだ。クリーンルーム内の空気循環で、検知が遅れたようだ
異常の早期発見には火災報知器の、設置場所にも工夫が必要であると記述している
更に、法定個数は満足していても、自主的に設置個数を増やすことも考えた方が良いとの表現もある
装置は、設置してから20年とある。電気部品などは、点検はしていたそうだが、SSRリレーなど交換部品はきちんと交換していたのだろうか
発熱リスクの高い部分の、交換などの記述はないが気になるところだ
報告書を読むと、いかに早期発見するかがポイントと読み取れる。難燃性の部材を積極的使うにしても、全ては難燃化できないからだ
人が気づいたときは、炎は2~3mあったとの記述もある。初期消火は難しいだろう。おまけに、一酸化炭素中毒の恐れもあり空気呼吸器を付け面体を付けた状態の視野の狭い中で、広がった炎を消すのは無理がある
火が出てしまえば、クリーンルームなどの密閉空間で初期消火はかなり難しいからだ
スプリンクラーも設計段階で考慮が必要だろう
以前私のブログでの半導体工場の事故について書いたことがある。そちらも参考にして欲しい。
2021/3/19未明に起きた半導体火災の事故報告書はまだ公表されていない.公表されることを期待したい

イラスト出典 イラストや

 

2021年11月11日