ボイラーの爆発事故--事故報告書が出されていたので紹介する-目視検査で大丈夫か

2021/4/26にボイラーの爆発事故があったのを覚えているだろうか
ビデオや写真を見るとかなり破片が吹き飛んでいる。近くの駐車場にあった車が燃えていた
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210426/k10012999561000.html
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210427-OYT1T50109/
これを見ると久々の大型ボイラーの爆発事故だ
5万KWの発電用ボイラーだという。燃料は石炭だという
ボイラーは法律としては労働安全衛生法で規制がかけられている 厚生労働省の管轄だ
ボイラー協会というところが民間の団体として活動している
事故の情報は沢山持っているようだが、会員以外には公開していないようだ
ボイラーの爆発大はきく分けると、燃料が原因の場合と水が原因の2種類だ
燃料は入れているのに火が消えたりすれば不完全燃焼が起こる。不完全燃焼が起こると、爆発混合気ができてしまう
そこで再点火すれば、爆発と言うことになる。スタート時でも、運転中でも起こる事故のパターンだ
もう一つは、ボイラーへの給水だ。ボイラーは、水を蒸発させる装置だ
蒸発装置は、中に入った水を加熱して蒸気を発生させる。蒸発した分だけ、水を自動的に補給して液面を維持している
ところが、何らかの不具合で水が無くなると空だきになる。装置は高温だから、そこへ水がかかれば水蒸気爆発を起こす
ボイラの中には,蒸気の元となる水を流している水管というものがある。この水管が,破れるとやはり炉内で水蒸気爆発が起こる
今回、この事故も調査報告も出ず,原因は公開されないのかなと思っていたら,企業から事故調査報告書が出されていた
水管の検査を、目視だけに頼って,減肉を定量的に管理できていなかったとの記述がある
目視検査という手法には限界がある。肉厚検査など、傾向管理も重要だ。コストとのバランスはあるが工学的検査手法を併用して欲しい
たかがボイラーと甘く見ないで欲しい爆発を起こすこともある装置だと考えて欲しい
イラスト出典 イラストAC無料イラスト

2021年11月22日