粉塵爆発を甘く見ていませんか

粉塵爆発は,頻度は少ないがひとたび事故が起こると甚大な被害を及ぼすことがある
化学工場では,粉よりも液体の危険物を取り扱うことは多い。だから、、粉に起因する事故事例の頻度は少ない
したがって,粉が原因で起こる事故は少ないが.少ないからと言って粉の事故を甘く見ないで欲しい
最近の、粉が関与する事故事例としては
2021/8/23に、印刷などに使われる粉であるトナー工場の爆発事故が起きている
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2108/13/news075.html
2017/12/1日、静岡県富士市の化学工場で多くの死傷者を出す粉塵爆発が起きている
事故から約1年が経った、11月20日に、この企業から事故報告書が発行されている。
http://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/document/news/20181120fuji7.pdf
事故報告書によると事故はこのようにして起きたという。
印刷インキ用樹脂を製造していた。固形樹脂を粉砕後フレコンと呼ばれる袋に粉状にして投入していたときに内部で静電気による放電が起きたのがきっかけという。袋の中で最初の粉塵爆発は起きた。これで、収まればこれほどの大事故にはならなかった。
粉塵爆発は怖いのが、最初の爆発が引き金となって次から次へと誘爆していくことだ。
フレコンと投入口は密閉構造では無かった為、炎は、投入口の近くにあった、粉塵除去用のダクトの中に吸い込まれていったようだ。
ダクトの中は清掃していなかったことから、当然粉塵は溜まっていた。
それにも火がつき、ダクト内で大きな粉塵爆発を起こした。
ダクトの出口から出た、爆風は室内のダクトの上などに溜まっていた粉塵を更に巻き上げ更なる粉塵爆発の連鎖を起こしたようだ。
最後は、室内に保管していた化学薬品に火がつき薬品火災も起こしてあのような大爆発となってしまったと書かれている。
報告書では、企業は粉塵爆発の危険性を感じていなかったとある。
しかし、粉を長年取り扱ってきている企業なのだから粉塵爆発にはかなり注意をしていたはずだ。
粉の取り扱いを甘く見ないで欲しい.粉塵爆発が起こるととんでもないエネルギーが放出される
人一人は簡単に殺せるエネルギーだ


2021年11月30日