HAZOPは化学産業以外でも使われている-医療分野

HAZOPとは化学プラントなどで使われる安全性評価手法だ
http://hazop.jp/hazop_basic.html
化学プラントは、流量や温度、圧力、液面などが一定の条件で保たれていると安定的に生産ができる
ところが何かのトラブルが起こると。流量や温度が変化する。これを、ズレという。
ズレが起こると、化学プラントは乱れ始める。人がうまく対応すれば、もとの状態に戻せるが、うまくいかないケースがある
それが、事故だ。圧力が上がれば装置が破裂する。反応器などの温度が上がれば、反応暴走につながる
ならば、流量や温度などのズレが起これば、どんなまずいことが起こるのかを事前に検証すれば事故のリスクは減る
そこで考え出されたのが、ズレによる影響を解析し、対策を立てるとい安全性評価システムだ
ズレを考えるときの、キーワードが準備されている。外国からきた手法なのでこんな7つのキーワードがある。その中でいくつかを紹介すると
「No」:何もしなかったらどうなるのか? 「Less}:少なかったらどうなのか 「More]:量が多めだったらどうなるのか
「Reverse]:逆だったらどうなるのかなどがある
化学産業では、例えば「No」は、流量に関してみれば、流れないとどんな問題が起こるのかと考える
「less」は流量が規定より少なめなら、やはりどんな問題が起こるのかと考える
このように、ズレがおこると何か悪いことが起こるのではないかと考え安全対策を取っていく手法がHAZOPといわれている
最近は、このような手法は医学界などにも使われている
例えば「No」は、もし手術をしなければどんな悪いことが起こるかと考えるのだ
「Less」は、手術で取り除く範囲が、少なめだったら患者さんにどんな悪い影響が出るかを考える
「More」は、除去範囲が多すぎても悪いことが起こるのではないかと考えるのだ
「Less」は逆というキーワードだ。例えば手術する対象を逆にしてしまったケースだ
本来なら、右の肺を手術する予定だったのが、誤って左の肺を手術してしまうケースだ
X線の写真を左右取り間違えるケースなどで起こる。どうしたらそれが防げるかを、考えていくのだ
このように、HAZOPずれを想定して対策を打っていく処方なので、あらゆる業種で使うことも可能だ
ズレというものに常に着目して安全対策を取っていって欲しい

イラスト出典 いらすとやフリー素材

 

2021年12月04日