事故原因をしっかり解析して再発防止を図れ--なぜなぜ分析 4M分析を活用せよ

事故や災害が起きれば、企業は再発防止を図る。ところが、事故や災害要因の解析が甘ければ事故は本質的に削減することはできない
事故が起こると、事故を起こした本人に対して、注意するとか組織内で教育するとかの対策をとって再発を防止しようとするがこれではモグラたたきだ
同じ事故は起きないが、同じような事故は必ず起こる。事故が起きた職場だけに対策を取っても、違うところで必ず事故は起きるからだ
つまり、事故の要因を解析し、他の職場に水平展開しなければ企業内での事故の続発を防ぐことはできない
多くの企業の、労災報告書は仕事がら沢山見る。そこで気づくのは、報告書での記載事項の問題点だ
報告書の記述作業を全て、事故発生現場に丸投げしていることだ
事故を起こした職場は、安全解析の専門的知識を有しているわけではない。報告書の書式は決まっている。空欄は全て埋めなければいけないのだ
書式に従い4M解析などに関する記述欄の空欄を埋めることになる。一応空欄が埋まると受理されるのだろう
そのまま、全社展開ということになる
しかし、我々のような監査を仕事としているものから見ると、その企業の本社の安全部門がどこまで口を挟んでいるの疑問に思うものが実に多い
つまり、ほとんどの災害案件の対策が対処療法に過ぎないものが実に多い
教育するとか本人に注意するとかでお茶を濁している
私なりに、4M法で解析すれば、マネージメントの部分がものすごく欠落している
管理者は何をしていたのかと疑うように災害事例も多いのに、そのことは事故に再発防止策としてすっぽり抜けている
原因分析も曖昧なものも多い。なぜが、しっかり解明されていないからだ
なぜ、解明されないかというと、なぜの切り口がわかっていないか教育されていないからだ
なぜはまず人という切り口で見る必要がある。人がどんな理由で判断を間違えたり、作業を間違えたりしたかだ。ソフト的要因が切り口だ。
次に、物理的要因だ。機械の故障などハード的要因だ。ソフトとハードという両面で解析する必要がある。
事故や災害を防ぐには、ボトムアップとトップダウンも欠かせない
本人たちがいくら頑張っても限界がある。管理という仕組みでカバーが必要なのだ
再発防止策が曖昧だと事故は根絶しない

 

2022年01月11日