商業化でのスケールアップの比率の許容限界はいくつか

実験を重ね商業化していくには、スケールアップしていくことになる
試験管ベースでうまくいっても、量を増やせばうまくいくという保障は無い
化学反応を伴う物質であれば、反応熱を考慮に入れる必要がある。反応容器を大きくすればするほど、冷えにくくなる
異物の考慮も必要だ。装置を大きくすれば思わぬ異物も入り込んでくる
異物混入の事故事例も多い http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000125.html
混触反応のリスクも増えていく
冷却能力不足も致命的事故になることもある http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200004.html
スケールアップで反応器などの容積が増えても、単純に冷却に関与する表面積が均等に増えるわけでは無い
反応熱に関係する体積は3乗で増えるが、冷却などの配管表面積は2乗でしか増えないからだ
スケールアップすれば、撹拌と冷却能力もバランス良く増やす必要がある。それを失敗すれば事故になる 
では、スケールアップは、どのくらいいの比率で進めていけば良いかだ
2倍なのか、5倍なのか、10倍なのか、50倍なのか、100倍なのかだ
数字が大きくなればなるほど、リスクは大きい
では、数字の大きい方で失敗した事例を紹介しておく
https://www.csb.gov/mfg-chemical-inc-toxic-gas-release/
スケールアップ比率で考慮すべき数値は、色々な情報から考えるに
1度に行うのは、最大1桁アップまででは無いかと感じている
プロセス危険性により変わるが、中試験ベースでも10倍毎くらいでスケールアップをするのが安全領域かと考える
こんな書籍も世の中で売られているので参考にして欲しい
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I023971472-00
スケールアップに存在するリスクを甘く見ないで欲しい

 

 

2022年04月05日