酸欠事故--思い込み 窒素の危険性をしつこく教育せよ

酸欠事故は繰り返し繰り返し世の中で起こっている
化学プラントでも酸欠事故は多い。化学プラントでは爆発混合気をつくらせないためにチッソを使うことは多い
チッソという気体を使って装置の中を爆発しないようにパージする作業は多い
大部分は、ヒヤリですんではいるものも、時には死亡事故につながることもある
問題はその危険なチッソを取り除く作業をするときだ
空気を送り込んで、空気に置換する作業もある
装置のマンホールという蓋を開けて空気を中に入れ込んでいく方法もある。開けたマンホールから空気を入れてチッソを置換するのだ
問題はこのマンホールを開ける作業だ。単純に指示を受けてマンホールを開けるなら事故は起きない
でも世の中には、このマンホールを開けていた作業者が、マンホールの中に入り死亡する事例も数多くある
実例として、化学プラントで起こった酸欠死亡事故の詳細が公開されているので興味のある方は見て欲しい
2020/5/14に起こった酸欠事故だ。協力会社の現場監督が死亡している
https://www.khk.or.jp/Portals/0/khk/hpg/accident/jikogaiyouhoukoku/2020-455.pdf
事故の顛末はこうだ。ドラムのマンホールを開けて、立ち入り禁止措置をするだけの指示を協力会社は受けていた
ところが、なぜか協力会社の監督が、ドラムの中に入り酸欠で死亡したという事故だ
周りにいた作業員は、ドラムの中に監督が入るのを停めなかったという
停めるまもなく中に入り、すぐにドラム内に転落したのかも知れない
なぜそんなことが起こるのかと言えば、チッソは臭いもなく色もないからだ。チッソが危険と人が色や臭いで感じることができないからだ
チッソは吸い込むと瞬時に酸欠になる。あっという間に意識が無くなる。 ほんの数秒で意識を失う
更に,瞬時に筋力も無くなる。自分の体を支えることもできなくなる
つまり,逃げだそうとしても自分の力では逃げ出せないのだ。今回の事故でも猿ばしごでおりようとしたらしい
降り始めてすぐに意識が無くなっただろうから、猿はしごをつかむ力も無くなり奥へ落ちてしまったのだろう
この怖さを教育で教えるのは難しい。体験型教育で工夫してチッソの怖さを感じさせようとするのだがなかなか難しい
チッソのある場所の管理をしっかりして欲しい。チッソに関わる作業も甘く見ないことだ
協力会社だけで、チッソに関わる作業をさせないで欲しい。発注者側も大事なところには立ち会うなどして関与して欲しい
チッソ(窒素)を取り扱う作業を甘く見ないで欲しい
協力会社を含めてその危険性をしつこく教育して欲しい

 

2022年05月16日