たかがホースと思わないで欲しい--耐熱性や耐薬品性などの知識が必要だ

化学プラントの中でホースを使う仕事は沢山ある
脱液や移液などでホースは頻繁に使われる
ホースの種類は様々だ。用途に合ったホースを選定すればいいのがそうは問屋が卸さない
人は身近にあるホースを使ってしまうからだ
流す流体の温度が高いのに、耐熱性の低いホースを使って事故になる。薬品の耐酸性や耐油性にあわないホースを使って事故にもなる
なぜなら、ホースに関しての事故事例はあまり教育されていないからだ
自分の部下などに質問して欲しい。ホースの耐熱性についてだ。たぶん多くの人は、ホースと耐熱性はうまく答えられないと思う
塩ビのホースは、どの程度の温度に耐えるのかと質問しても多くの人は答えられない
たとえば蒸気だ。水の沸点は100℃だ。ビニルホ-スは蒸気に耐えられるかだ
一般的に言われているのは塩ビホースなら、60度迄が許容温度だ。いわゆる温水だ
お風呂の温度が約40度くらいだから、それより少し高い程度までしか持たない。
当然蒸気には耐えられない。
良く誤解されるのが。網線入り塩ビホースだ。かなり強度があると思われがちだが。80度まで持てばいい方だ
やはり、蒸気には使えない
蒸気に使える、黒っぽい蒸気ゴムホースでも130度から140度だ。低圧蒸気には使える、高圧蒸気には使えない
使える使いえないはあるが、温度が高くなれば柔らかくなる。締め付け部がゆるむというリスクもある
たとえ破れはしないにせよ、柔らかくなりすぎてホースの固定が甘くなることも考えなくてはいけない
しっかりとクランプされていればいいのだが、固定が緩ければホースが抜けて起こる事故もある
ホースの材質で何度まで使えるのかはしっかりと教育して欲しい
耐酸性など化学物質に対する耐候性も教えて欲しい
たかがホースと思っていると思わぬ労災が発生する

 

2022年05月26日