工事の工法を勝手に協力会社が変えて起こる事故--工事管理

化学プラントなどでは工事を頼むとき元請けという協力会社に仕事を頼む。大手のエンジ会社だ
大手だから安心かというとそうでは無い。協力会社は、多層構造だからだ
元請けは仕事は受注するが、下請けに仕事を発注する。工事規模が大きければ更に孫請けに仕事を任せる
下請けの構造は何重にもなる。下に行けば行くほど技術の管理レベルは下がる。そこで問題が起こる
発注者である、企業は大手に頼んだから安全と思い込んでいる。しかし、現場の末端の仕事は大手がやるわけではない
孫請けレベルの協力会社がやっている。問題はその企業の実力だ。監督がしっかりしていれば、問題が無いがそうとは限らない
発注者が考えた思いが、最終的な施工者レベルまで届いていればいいのだがなかなかそうはいかない
発注者も、工事現場に立ち会って施工者が意図した工法で工事をしてくれるかと確認すればいいのに現実は丸投げだ
なぜなら、発注者側も人がいないからだ
企業はどんどん人を減らし、現場の工事の施工管理もかなり手薄になっている
おまけに、現場の工事を見る発注者側の担当も経験不足、工事を受注した強力会社側も監督者の技量は落ちている
こんな事故事例がある。大阪の化学企業で起きた解体工事中の火災事故だ
発注者は、解体する煙突周りのダクト内にはFRPという可燃物が貼り付けられているためそれを除去してから切断せよと指示した
ところが、工事を受注した協力会社は、いちいちFRPを外していては効率が悪く、工事の手間もかかるのでいきなり火を使って切断し始めた
結果としてFRPに着火して大きな火災になった
https://www.youtube.com/watch?v=UaIMQCbGFBY
発注者の要求した通り協力会社が工事をするわけではない
協力会社は常に効率を考える
手間暇をかけずに工事はやりたいのだ
一方で、発注者は言ったとおりにやってくれると単純に思ってる
歩合制ならまだしも、請けで仕事を受けるなら受注者は必ず効率の良い仕事の方法を考える
そこに発注者と受注者のミスマッチが起こる
仕事を人に頼むときは、発注方式を含めて考えて欲しい
受注額が決められた請負方式で発注すれば、受注者は必ず効率の良い方法を考える
そこにどうくさびを入れられるかが発注者の腕の見せ所だ
発注したとおりに仕事をやってもらうのは大変な苦労がいると考えて欲しい

 

2022年05月28日