スケールアップで起こる事故--10倍以上のスケールアップで多くの事故が起こっている

スケールアップという言葉がある。
事業を拡大したいと思えば、必ず装置規模は拡大する。化学工場で言えば生産能力を上げることだ
そうは言っても、実験を重ね、商業化に結びつけるのはそうたやすいことではない
試験管ベースでうまく言ったからと言って、生産規模を簡単に増やせるものでは無い。
実験を重ね商業化していくには、スケールアップしていくことになる
試験管ベースでうまくいっても、量を増やせばうまくいくという保障は無い
少しずつ量を増やしながら、中規模の試験設備にたどり着く
商業化するには、更に大きな設備にしていく必要がある
化学反応を伴う物質であれば、反応熱を考慮に入れる必要がある。反応容器を大きくすればするほど、冷えにくくなる
異物の考慮も必要だ。装置を大きくすれば思わぬ異物も入り込んでくる
異物混入の事故事例も多い http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0000125.html
混触反応のリスクも増えていく
冷却能力不足も致命的事故になることもある http://www.shippai.org/fkd/cf/CC0200004.html
2007年にアメリカで起きたスケールアップの失敗を紹介する
以下のURLを見て欲しい。英文の報告書とビデオがある
当初は1Lという小型反応器で製造を開始したが、いきなり10m3の反応器にスケールアップしてしまった
何バッチか製造する段階で、温度が異常に上昇することがあったが、それが暴走反応とは気づいていなかった
原因を調査せず漫然と反応器を大型化した失敗事例だ
https://www.csb.gov/t2-laboratories-inc-reactive-chemical-explosion/
スケールアップ比率で考慮すべき数値は、色々な情報から考えるに、一度に10倍を超えてはリスクがある
段階的にスケールアップする必要があると言うことだ
スケールアップに存在するリスクを甘く見ないで欲しい

 

2022年06月08日