静電気ーー噴出帯電

化学プラントで静電気はやっかいなものだ
着火源の一つだからだ。ピッいう音で,一瞬火花が出れば、簡単に着火する
しつこいくらいにアースを取っておかないと静電気が発生する
脱液するときには、とにかく流速を早めないことだ
当たり前のように言われている、流速1m以下にすることだ
バルブはゆっくりと、流し出す必要がある。しぶきが、ほとばしるようならもう完全に静電気ができている
液の中に気泡があれば、やはり静電気が発生していると考えなくてはならない
放出する配管の太さより、出ていく液の太さがちょっと細めくらいが安心な領域だ
もう一つ気おつけなければいけないのは、噴出帯電だ
導電性の無い流体がホースやノズルから勢いよく噴き出すとやはり静電気が発生する
つまり、噴出して周りの空気をかき乱すことで周辺に静電気が発生する
蒸気を噴出させても数千ボルトの静電気は発生する
スチームパージをしていて放電したこともある
危ないのは、ゴムホースの先端に金属製のノズルを付けたホースを使うと危ない
ゴムは電気を通さないから電気は逃げていかないのだ
ホースの先端に付けた金属製のノズルにアースを取ってくれればいいのだがほとんどの人はアースは取らない
そうすると、ホースから蒸気を出し始めると蒸気の出た周りの空気は蒸気の噴出で空気が帯電する
その帯電した空気から、金属ノズルに向かって放電が起こる
これが噴出帯電による現象だ
近くに可燃性ガスなどが漏れていれば一瞬で火がつく
この噴出帯電という現象は案外知られていない
安全体験などで体感できる機会があれば是非体験してみて欲しい
静電気に関する情報源としてこんなものがあるので紹介しておく
https://xn--1nrt08ch33ahravo.com/basic-static-electricity/manual/

 

2022年06月27日