リスクアセスメントの歴史を振り返ってみて

リスクアセスメントと言う言葉がある。今の時代当たり前のように使われている言葉だ
化学企業に今から半世紀前に就職したときは,リスクという言葉は使っていなかった気がする
新しい設備を作る際には、企業が定めた「安全性評価システム」に則り危険なことを明らかにして、それを危険で無い状態にできるかを論議した
研究開発の段階、事業化前の事前検討時、事業化決定後設備の基本設計段階、詳細設計段階、装置完成後の試運転前段階などで安全を確認した
試験管ベースから、装置が出来上がるまで、検討項目が見える化されていて安全性の評価をした記憶がある
私が、化学プラントの設計や保全に実務として携わっていたのは、1970年代~1980年代だ
この頃は、まだリスクという言葉ではなく「安全」ということばが主流だった気がする
1980年代頃から、HAZOPという安全性評価システムを使い始めたが、プロセス安全性評価というように「安全性評価」という言葉だった
リスクアセスメントの歴史を調べてみると、発祥はイギリスで、1991年にリスクとは、「発生確率」と「影響度」の産物と定義している
https://seisangenba.com/work-risk-assessment/
日本に持ち込まれたのは、1999年とある。 労働安全衛生マネージメントシステムに関する指針が出された年だ
http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-58-1-0.htm
安全をPDCAを回しシステマチックに管理しようとする試みが始まった頃だ。日本でもISOの認証取得なども始まった頃だ
2006年4月1日に改正され、労働安全衛生法に危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)の実施が努力義務規定として設けられた
リスクアセスメントの実施とその結果に基づき必要な措置を講ずることが定められたのだ
化学企業などでは、法の施行前よりリスクアセスメントの社内教育が始まり、作業工程でのアセスメントの評価が進んでいた
その後、国際的な安全の定義については2014年、ISO/IEC GUIDE 51:2014で「許容できないリスクがないこと」と定義されるようになった
2016年の法改正で、指定された化学物質(平成28年6月1日当時640種類~SDS交付義務もあり)の製造・取り扱う事業場に対して、リスクアセスメントの実施が義務化された。
労働災害のみならず、化学物質による危険性や有害性のリスク評価も進んできたと言える
2020年代に入った今では、2010年代に行ったリスククアセスメント結果を、再評価を行い危険源の漏れや評価の妥当性を検証している企業もある
リスク評価の進化が進んでいると言える。一度リスクを評価したらそれで終わりは無い
HAZOPのような「ずれ」の概念も織り込んでいく必要がある
1回目の評価では、化学物質を取り扱う人(管理者、担当者)も変わっているかもしれない。取扱量、製造工程や設備の変化もあるはずだ
時間が経ってから、2回。3回とリスクアセスメントの深掘りをして欲しい

 

2022年07月01日