長期の休みで起こる事故

ゴールデンウイーク時の連休、夏季休暇、年末から正月にかけて長い休みの時期がある。
この時期を利用して化学企業などは色々なことをすることがある。
装置を、停めてしまう企業もあれば、運転を継続する企業もある。
装置を停めて、修理や点検をする企業もあるだろう。
「 長期の休み」というリスクは管理が甘くなるリスクも存在する。
交代勤務など現場の人は定員があるので、減ることは少ないが、現場の係長や課長などは当然休みに入る。
つまり管理者がいなくなることにより、管理の密度は減ることになる。
福島県の化学企業で2005年5月11日に起きた事故だ。
連休のため、通常タンク内には反応促進剤は1日しか入れないのに3週間という長期間入れて保管していた。
この為、反応促進剤の活性度は落ちていた。
それに気づかず、連休明け後にスタートを始めた。
運転員は、通常通り原料を反応器に入れて、反応促進剤もいつも通りいれた。
反応を始めたところ、なかなか温度は上がってこず反応は進まなかった。
それでも、運転を継続していたところ突然反応暴走が始まった。
気づいたときには、温度も圧力も異常に上がり安全弁から液が噴き出した。
噴き出した液は空気と混ざり、発火点以上だったため着火爆発したという事故だ。
長期間の休みを考慮せず、反応促進剤をタンクに入れたままにしていたことが引き起こした事故だ。
消防研究所が出している消防研究報告通貫101号の中の26頁にこの事故に関する記載がある。
興味がある方は見て欲しい。
http://nrifd.fdma.go.jp/publication/houkoku/081-120/files/shoho_101s.pdf

長期間の休みを挟む作業には十分注意して欲しい

 

2022年08月12日