装置の間欠運転で起こる事故

装置の使い方には、「連続」と「間欠」という使い方がある。この「間欠」という言葉に関心を持って欲しい
連続運転であれば、事故は起こらなかったのに「間欠運転」という運転方法であるが故に事故が起こることがある
労働災害で間欠運転が原因で起こる事故のパターンを紹介しておく
連続的に機械が動いていれば、音もしている。つまり、人は運転中に機械には手を出すことはない
ところが、間欠運転の機械では機械が停まっている時間がある。何も音ともしない状態だ
間欠運転する機械だとわかっていれば、手を出すことはないが、知らなければいきなり機械が動き始めて手や腕を巻き込まれたという事例が多い
化学災害事例を見て見ると、配管の腐食漏洩事例が多い
保温材や保冷材を被せている配管での事故事例が多い
間欠運転であれば、配管に液などが流れていたり、いなかったりする
温度のある流体であれば、配管が冷えたり、熱くなったりを繰り返すのだ
冷えれば、空気中の水分が結露する。保温材や保冷材のすき間を通って配管表面に水分が侵入する
時間が経てば、配管の外面腐食が起きて穴が開くのだ
https://www.khk.or.jp/Portals/0/resources/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/2010-028.pdf
間欠運転で使用する配管は、保温や保冷材にすき間がないかをしっかり見て欲しい
結露で配管腐食事例は多いからだ
間欠運転でもう一つ配管で気おつけなければいけないのは、スラッジだ
連続的に流体が流れていれば、スラッジは溜まりにくいが、間欠運転だとどうしてもスラッジが配管内部に溜まりやすい
配管の立ち上がり部などにスラッジは溜まることになる
腐食性の物質が含まれていれば、スラッジ部で濃縮されたりして腐食速度は上がる
気づかずに運転していると突然穴が開いて噴き出す事例も多い
https://www.pecj.or.jp/japanese/safer/case_list/pdf/accident_00082.pdf
間欠運転だからと行って、管理密度を下げないで欲しい
間欠運転故に生じるリスクに目を向けて欲しい

 

2022年09月25日