ジェット洗浄作業で起きた中毒死亡事故に思う

1年ほど前に、ある工場での定期修理中で起きた猛毒のシアン系設備を洗浄中に起こった作業員の中毒死亡事故だ
熱交換器という装置の中を高圧の水を吹きかけて、内部を洗浄する作業中作業員が死亡した事故だ
洗浄機器の中に残っていた猛毒のシアン化水素(青酸)を含んだ液を吸い込んだか飲み込んだという
https://www.sumitomo-chem.co.jp/news/detail/20220113.html
シアン化水素は青酸カリなどに使われる化学物質だ。微量に吸い込んでも死に至る可能性がある物質だ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%B3%E5%8C%96%E6%B0%B4%E7%B4%A0
270PPMで即死と言うから、微量吸い込んだだけでも死にいたる物質だ
高圧の水を吹きかけて装置の中の残留物を吹き飛ばし除去する作業を水ジェット洗浄という
こびりついた異物を取り除く一般的な工法ではある
高圧の水と残留物が作業中周囲に吹き飛ぶため、作業員はゴムでできた作業着と、顔の部分には保護カバーの付いたマスクを着用する
今回洗浄作業をしていたのは、猛毒の物質を製造した設備だ
当然、作業前には水や、空気、窒素などを使って装置の中は事前に工場側で洗浄は行われていた
今までこの作業は、15年間行われており事故は無かったという
ところが、今回死亡事故が起きてしまったのだ
その後企業側から、事故の詳細は報告されることはなかったが、先日高圧ガス保安協会から事故の報告書が公開されていた
https://www.khk.or.jp/Portals/0/khk/hpg/accident/2022/02_2021-000.pdf
これを読むと、類似の別プラントで過去洗浄作業をした際、シアン化水素が微量に検出されていたという
別のプラントでは、安全のため作業に使う保護具はエアーラインマスクに改めたという
ところが、今回事故が起こったプラントではこの情報は水平展開されず、単なる顔を水しぶきから守るゴム製マスクだけだったという
このマスクは、呼吸のために小さな穴が開いていてそこからガスを吸い込んだか、液が入り込み口に入ったという
結果として意識を失い病院へ搬送されたものの5日目に死亡したという
私が以前勤めていた企業でもこの青酸を製造していた。やはり、過去に死亡事故が起きている
猛毒の物質の洗浄作業なのだから、本来は万一を考えエアーラインマスクを使うべきだったのだろう
保護具に甘さがあつたと言うことだろう
今まで事故が起きなかったのが不思議なくらいだ
保護具の選定は最悪の事態を考えて選定して欲しい

 

2022年11月14日